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ER外国人診療ポケットマニュアル   医療事務職のための電子カルテ入門改訂第2版            
病院管理
ER外国人診療ポケットマニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
ER外国人診療ポケットマニュアル

[ 監 修 ] 大友 康裕
[ 編 集 ] 二見 茜/森下 幸治
[ 発行年 ] 2020年1月20日
[ 分 類 ] 救急医学・病院管理学
[ 仕 様 ] B6判 本文213頁
[ 定 価 ] 2,420円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-58-1
[ 主な内容 ]
●医療機関が外国人患者の受け入れ体制を整備する際に必要な知識や情報、体制整備のポイントをまとめた。
●外国人患者が円滑に安心して医療を受けられるよう、またスタッフが外国人患者へ安全に医療を提供し、院内の医療安全を担保、スタッフをトラブルから守るためのノウハウを惜しみなく公開。
●医師や医療専門職だけでなく、事務部門も含む、すべての人にとっての必読書!


監修のことば

 訪日外国人旅行者や在留外国人の急激な増加を背景として、医療機関を受診する外国人患者が急増している。こうした現状から、国内の病院における外国人患者の受け入れ体制の整備が急務となっているが、多くの病院から「具体的にどのように体制整備をすべきか?」「トラブルを防止するためにはどのような点に注意すべきか?」といった声をよく耳にする。
 私ども東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センターでも、外国人救急患者数が急速に増加している。特に、「断らない救急」を日々実践していると、外国人患者の対応は、避けては通れない課題となる。言語・コミュニケーションの問題、異文化、他宗教への理解と配慮、金銭的トラブル・病院の未収金問題、本国での治療を希望する患者の帰国搬送等々、日本人患者への診療とはまったく異なる対応が求められる。
 当院では、2018年4月より、「国際医療部」が設置され、外国人診療の際に求められる特別な諸対応を一手に引き受けて頂いている。その結果、外国人診療にかかわる医療スタッフの負担が大幅に軽減されるとともに、未収金が、(私の記憶では)数千万円/年間であったものが、外国人患者数が2.8倍になったにもかかわらずほぼ0円/年間まで減少している(2018年度)。国際医療部の人件費を大幅に上回る金額である。
 この度、当院でのノウハウをもとに、専門家の協力を得て、医療機関が外国人患者の受け入れ体制を整備する際に必要な知識や情報、体制整備のポイントをまとめたマニュアルを作成した。外国人患者に対する円滑な診療を実現するために、是非、本マニュアルをご活用頂ければ幸いである。
 2020年1月吉日
              大友 康裕

序文

 日本で暮らす外国にルーツをもつ人や訪日外国人旅行者が増加し、日本の医療機関を受診する外国人患者が増加している。多くの医療機関の職員たちは、外国人患者が受診することで、これまで習ったことのない、「言葉の壁」や「文化・習慣の違い」にどう対応すべきか悩み、試行錯誤をしながら対応していると思われる。
 観光庁によると、2018年の訪日外国人旅行者数は、3,119万2,000人であった。また、2019年6月末時点での外国籍住民数は282万9,416人となり、日本の総人口に占める外国籍住民の割合は2%を超えた。そして、東京や大阪などの大都市だけでなく、全国の医療機関で外国人患者の受診が増加している中で、“対応方法を教えてほしい” “困っている”との相談が増えている。
 東京医科歯科大学医学部附属病院は、2018年4月に国際医療部を開設して以来、外国人患者が円滑に安心して医療を受けられるためのサポートと、スタッフが安全に医療を提供するためのサポートをすることで、医師や看護師、事務職員がそれぞれの業務に専念できる体制整備にさまざまな診療科と連携し、取り組んできた。
 外国人患者も医師法の応召義務の対象となるため、病院は「外国人だから」「言葉が通じないから」という理由で診療を断ることはできない。外国人患者の受け入れ体制整備を推進することは、外国人患者へのサービス向上だけでなく、院内の医療安全の担保、ひいてはスタッフをトラブルから守るという視点からも重要である。
 本書では、東京医科歯科大学医学部附属病院の外国人患者受け入れ体制整備のノウハウを惜しみなく公開している。執筆者は当院のスタッフのほか、法律、感染症、医療搬送などのさまざまなバックグラウンドをもつ専門家の先生方に参画頂いた。この場を借りて御礼申し上げます。
 本書が、医師や医療専門職だけでなく、事務部門なども含む、医療にかかわるすべての人にとって必読書となることを願ってやまない。
 2020年1月吉日
              二見 茜
              森下幸治


目次


第Ⅰ章 受付での対応


1・受付時に確認しておかなければならないこと

  1.言語の確認
  2.来院目的の確認
  3.患者情報の確認
  4.医療費の支払いに関する確認

2・本人確認の方法

  1.パスポートはここを確認
   ①氏名
   ②有効期限
   ③入国記録
  2.在留カードはここを確認
  3.在留資格が切れている場合の通報義務

3・未収金トリアージ

  1.救急病院の未収率は19.8%
  2.未収金トリアージ
   ①(緑)日本の健康保険証を持っている:低リスク
   ②(青)在留資格(ビザ)が切れている、または、
       入院中に切れてしまう:特別な配慮が必要
   ③旅行保険に加入している、もしくは、クレジット
      カードを持っている→黄色(準緊急):外来、
                  赤(緊急):入院
   ④旅行保険加入もクレジットカードもない場合は
                    超緊急(黒)
  3.努力をしたにもかかわらず未収金が発生して
                   しまった場合
  4.未収金予防策

4・会計の手続きについて(入院・外来)

  1.救急外来
   ①料金表の作成
  2.入院
   ①概算を伝える
   ②概算金額を保証金として預かる
   ③海外送金するときにはSWIFTコードが必要
   ④現金以外の支払い方法にも対応
   ⑤海外旅行保険
   ⑥健康保険証を持っていない患者の診療報酬に
                      ついて
   ⑦英文の請求書・領収書を用意しておこう

5・海外旅行保険への対応

  1.海外旅行保険で支払いが可能な事例
  2.海外旅行保険の手続き

6・用意しておくと便利なもの

  1.外国人患者受け入れの準備のとき
   ①医療通訳サービス
   ②英文診断書簡易版
   ③電子辞書
   ④研究の同意書
   ⑤治療を中断するときの同意書
   ⑥単位換算表
  2.受付・会計時に役立つもの
  3.ピクトグラムの活用
   ①院内表示や掲示物
   ②トイレの使用について
   ③注射針をゴミ箱に捨てないで
   ④ポケットWifi
   ⑤アスリートでも使用可能な大型車いす、
                  ストレッチャー
  4.外国人患者の受け入れ可能な医療機関
  5.メールアドレス


第Ⅱ章 コミュニケーション


1・医療通訳(対面通訳、電話・ビデオ通訳、機械通訳)

  1.言葉の壁を解消するために
   ①本当はわかっていない?
   ②家族や知人の通訳は本当に大丈夫?
   ③子どもに通訳をさせてはいけない
  2.医療通訳サービスを使うときに
                知っておきたいこと
   ①時間がかかる
   ②医療通訳の規約の作成
   ③やさしい日本語を使う
  3.通訳の種類
   ①対面通訳
   ②電話通訳
   ③ビデオ通訳(タブレット端末)
   ④機械通訳
  4.個人情報の取り扱い
  5.料金について

2・多文化・宗教への対応

  1.多文化対応能力(Cultural Competency)
   ①食事や薬はアレルギーと同様の対応を
   ②患者に訊くことが大切
   ③ベジタリアンもいろいろ
  2.イスラム教について
   ①知らなかったでは済まされない!
   ②女性の医師を希望するときの対応
  3.緊急時の対応

3・クレームへの対応

  1.トラブル・クレーム対応のポイント
  2.暴力や暴言があったときの対応
   ①まず身の安全を守ること
   ②必ず複数のスタッフで対応する
   ③かかわったスタッフの心のケア
   ④録音や録画の準備をしておく
   ⑤大事な話をしているときに笑うことは失礼

4・外国人と応召義務

  1.不法行為責任とは
  2.正当な事由の必要性


第Ⅲ章 感染症への対応


1・輸入感染症診断のためのアプローチ

  1.渡航歴のある患者へのアプローチ
   ①渡航地
   ②潜伏期
   ③曝露歴
  2.警戒すべき輸入感染症
  3.身体所見や血液検査からの鑑別法
  4.重症度の高い疾患、治療可能な疾患、
                   頻度の高い疾患

2・症候別に求められる感染管理対策とは?

  1.感染管理対策とは
  2.症候別鑑別とその対策

3・旅行者下痢症の診断と治療での注意点は?

  1.旅行者下痢症の疫学
  2.治療法

4・蚊媒介感染症の診断と治療は? 

  1.マラリア
  2.デング熱
  3.チクングニア熱
  4.ジカウイルス感染症

5・新興再興感染症疑いの患者への対応は? 

  1.新興再興感染症とは
  2.ウイルス性出血熱
  3.鳥インフルエンザおよび中東呼吸器症候群(MERS)

6・感染症の患者・同行者を帰宅させる場合の注意点とは?

  1.感染対策の説明
  2.医療機関受診に際しての注意点
  3.患者と同行者の個人情報の把握

7・院外機関との連携とは?

  1.感染症患者搬送に関する対策(連携先:保健所、
                    検疫所、消防)
  2.課題を防ぐ取り組み(連携先:地域行政、
                 旅行/船舶代理店など)
  3.サポート部門の存在(連携先:地域行政、
                    民間企業など)

8・入院前に感染症スクリーニングを考慮しなければ
                 ならない状況とは?

  1.薬剤耐性菌保有リスクの評価
           (特に、海外医療機関での入院歴)
  2.個室隔離と接触予防策
  3.感染管理チームへの相談、スクリーニング検体の
                        採取

9・予防接種の種類と接種率

  1.ルーチンワクチン
   ①麻疹・風疹
   ②水痘
   ③ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
   ④B型肝炎
   ⑤日本脳炎
  2.トラベラーズワクチン
   ①A型肝炎
   ②狂犬病
   ③髄膜炎菌
   ④黄熱病
   ⑤腸チフス
   ⑥ダニ脳炎
  3.病歴確認に際しての注意点





第Ⅳ章 救急外来診療


1・問診・フィジカルアセスメントのコツ 

  1.問診のコツ
   ①問診時の基本
   ②留意すべき点
  2.フィジカルアセスメントのコツ

2・熱中症で来たら? 

  1.救急外来における診療の実際
  2.重症度の評価と治療

3・アナフィラキシーショックで来たら? 

  1.アナフィラキシーショックへの対応
  2.外国人患者の特徴・課題

4・急性薬物中毒を疑ったら?

  1.診察
  2.簡易検査
  3.治療
  4.届出義務

5・アルコール使用障害患者への対応は?

  1.急性期治療
  2. 二次・三次予防
   ①自覚を促すためにパンフレットを利用する
   ②AAの連絡先を案内する
   ③専門医療機関に相談する
   ④近親者に対して自助グループを案内する

6・メンタル不調患者への対応は? 

  1.帰宅できると考えられる場合
   ①できるだけ海外で使用されている薬剤を処方する
   ②薬剤の英語説明文を用いて説明する
   ③外国人対応ができる精神科や相談先を紹介する
  2.入院が必要と考えられる場合
   ①当該病院の精神科に入院する
   ②精神科病院に転院する
   ③帰国搬送のため海外対応の民間会社を利用する

7・暴力への対応は?

  1.リスクの把握
  2.現場での対応
  3.普段からの対策を!
   ①計画
   ②トレーニング
   ③安全な環境
   ④怒らせるフレーズ、落ち着かせるためフレーズ

8・外来から帰国許可できない患者が自己判断で帰国する
                    場合の対応は? 

  1.療養指導義務の履行について
  2.診断書作成についての注意点
  3.帰国、飛行機搭乗困難な患者への対応

9・心肺停止症例への対応は?

  1.心肺停止の診療
  2.リビングウィル
  3.蘇生後
  4.安楽死

10・外来で亡くなったときの対応は?

  1.訪日外国人の死亡対応
  2.日本に在住の外国人が死亡した場合

11・外傷での注意点は?

  1.受傷機転
   ①交通事故の場合
   ②その他の原因で怪我した場合
  2.海外旅行保険の加入の有無の確認
   ①海外旅行保険に加入している場合
   ②海外旅行保険に未加入で支払いが必要な場合
  3.診断書の作成
  4.外傷後のフォローアップ
  5.帰宅後の注意プリント

12・緊急手術での注意点と工夫は?

  1.手術の回避について
  2.手術同意について
  3.周術期管理について

13・緊急麻酔での注意点は?

  1.診察前の情報収集
  2.術前診察
   ①術前診察の前に
   ②本人確認と術前診察
   ③麻酔に関する同意取得
   ④麻酔管理
   ⑤術後管理

14・治療に伴う合併症が発生したときは?

  1.医療行為実施前にしておきたいこと
   ①自施設の外国人患者診療実績の把握
   ②自施設で活用できる通訳体制の整備について知る
   ③外国人患者のインフォームド・コンセント(IC)
  2.合併症が発生したら

15・災害時の対応と注意点は?

  1.ひと昔前の外国人のイメージは“否”
  2.日本にいる外国人を一括りに捉えない
  3.近隣に住む定住外国人の協力者を探す

16・災害時の患者受け入れや転院搬送、トリアージは?

  1.災害医療における外国人旅行者の扱い
  2.病院での受け入れ
   ①準備
   ②受け入れと診療
  3.トリアージでの問題点
   ①一次トリアージSTART法
   ②二次トリアージPAT法
   ③トリアージタッグ
  4.文化の違いによる対応上の注意点
  5.コミュニケーションボード(多言語情報シート)
                       の活用
  6.災害時診療に関しての費用負担
  7.転院搬送
  8.帰宅困難者への対応
  9.災害に対応する各機関の多言語への対応
  10.訓練の提案


第Ⅴ章 緊急帰国搬送


1・日本インバウンドの搬送

  1.日本人の帰国搬送について
   ①搬送理由
   ②搬送方法
   ③特徴
  2.外国人の日本への緊急医療搬送について
   ①搬送理由
   ②特徴
   ③受け入れ時に必要な情報

2・外国人患者の帰国搬送

  1.帰国先医療機関調整
  2.飛行機搭乗時に考慮すべき要素
  3.飛行機に搭乗可能か判断するポイント
   ①一般旅客としての搭乗
   ②車いすや酸素などを利用したり、医療者
        付き添いのうえで定期便に着座で搭乗
   ③ストレッチャー搬送

3・医療専用機搬送

  1.機材
  2.適応
  3.AAでできる治療
  4.医療チーム編成
  5.ミッションまでの流れとその限界
  6.日本発AA

4・搬送に必要な書類の書き方

  1.英文診療情報提供書
  2.Medical Information Form(MEDIF)
  3.搭乗許可証(意見書)


第Ⅵ章 薬を処方するときに知っておきたいこと


1.海外医薬品の確認
2.言葉が通じない患者への服薬指導
3.出国する際に必要な添付文書
4.宗教上配慮が必要な薬があるとき

  ①宗教上の禁忌薬剤への対応

5.ドーピング

第Ⅶ章 便利帳


1.医療通訳(電話・ビデオ)
2.医療通訳(派遣)
3.外国人患者受け入れ医療機関
4.各種相談
5.多言語問診票、各種書類
6.外国人のための情報サイト
7.感染症対策
8.薬関係
9.難民支援
医療事務職のための電子カルテ入門改訂第2版

個数:
医療事務職のための
電子カルテ入門
改訂第2版

[ 編 集 ] 津村 宏 中村雅彦
[ 発行年 ] 2019年3月1日
[ 分 類 ] 医学一般 病院管理学
[ 仕 様 ] B5判 本文143頁
[ 定 価 ] 2,860円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-51-2
[ 主な内容 ]
●医療事務職を目指す学生のための電子カルテの入門書の改訂版。
●医療事務職教育にも最適な研修テキスト。
●電子カルテの基礎はもとより、カルテの記載方法などを、やさしくわかりやすく説明。


編集にあたって

 現代のチーム医療においては、それぞれのスタッフが専門性を十分に発揮し業務に専念できるように、職種間での役割分担が進んでいる。その一方で、質の高い医療を継続して提供していくためには、スタッフ間で患者の診療情報を共有し、問題解決に向け密接な連携を図ることが不可欠になっている。医療事務職の業務も診療情報管理士、医師事務作業補助者、医療情報技師、医療経営士など役割分担が進み、さらに専門性が求められている。本書は医療事務職が、チーム医療を担う一員として他職種と協働して業務にあたる際に必要な、電子カルテに関する知識を身につけることを目的に編集された。
 電子カルテの導入により、施設内であれば「いつでも」「どこでも」患者情報の閲覧が可能になった。また、読みやすくわかりやすい診療録の作成、管理、長期保存などの点でも、電子カルテは従来の紙カルテに比べはるかに優れている。一方、運用にあたり情報の流通と漏えいは表裏一体で、診療情報にはプライバシーにかかわる情報も多く、取り扱いには特別な配慮が求められる。さらに診療情報は患者個人の診療に役立つだけでなく、集積された膨大なデータは、新しい診断・治療技術の開発や、新薬の開発、副作用の早期発見、疾病の発症予防など、医療の進歩のために社会的に活用される特徴がある。
 2014年1月に初版を上梓してから5年が経った。この間、個人情報保護、情報セキュリティ対策の分野で大きな変化があった。1つは医療ビッグデータの活用である。2005年に個人情報保護法が施行されたが、個人情報として取り扱うべき範囲が曖昧なため、蓄積された膨大なデータの有効利用が行われてこなかったのが実情である。そこで、誰の情報かわからないように加工された「匿名加工情報」の利活用を認め、ビッグデータの利用を活性化することを目的に、2017年5月から改正個人情報保護法が施行された。2つ目は、同年に医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版が公表されたことである。最新版では、多様化・巧妙化しているサイバー攻撃への対応、地域医療連携や医療介護連携の推進、IoTなどの新技術やサービスの普及について触れられている。3つ目は、医療情報の安心・適正な利活用を通じて健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現を目指すことを目的に、2018年5月に「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」が施行されたことである。
 今回の改訂では、医療情報を取り巻く最近の変化について、Up-to-dateな知見を津村宏先生を中心に加筆・解説頂いた。好評を頂いた初版に引き続き、ご活用頂けたら幸いである。
 平成31年3月吉日
              中村 雅彦


目次


1 電子カルテとは


 Ⅰ.カルテの概念と法的位置づけ
 Ⅱ.電子カルテシステムの概念
 Ⅲ.病院情報システムの全体像

  1.診療プロセスと病院情報システム
  2.基幹系システムと部門系システム
  3.病院情報システムで扱う情報の種類

 Ⅳ.電子カルテシステムを導入する意義、導入効果
             および普及に向けた課題

  1.電子カルテシステムの意義とその導入効果
  2.電子カルテ普及に向けた課題

●column 生涯健康医療電子記録(EHR)と
               医師事務作業補助者

2 医療情報化の歴史


 Ⅰ.コンピュータの歴史
 Ⅱ.医療情報化の年代別変遷

  1.1960年代
  2.1970年代
  3.1980年代
  4.1990年代
  5.2000年代
  6.2010年代

●column 人工知能の医療応用

3 診療録電子化の歴史


 Ⅰ.診療録の記載
 Ⅱ.診療録の電子化

  1.診療録等の記載方法について
  2.エックス線写真等の光磁気ディスク等への
                  保存について
  3.診療録等の電子媒体による保存について
  4.保健医療分野の情報化にむけての
                グランドデザイン
  5.診療録等の保存を行う場所について
  6.民間事業者等が行う書面の保存等における
        情報通信の技術の利用に関する法律
  7.厚生労働省の所管する法令の規定に基づく
      民間事業者等が行う書面の保存等における
      情報通信の技術の利用に関する省令
  8.医療情報システムの安全管理に関する
                  ガイドライン
  9.IT新改革戦略
  10.医療情報を受託管理する情報処理事業者向け
                  ガイドライン
  11.ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の
          安全管理に関するガイドライン
  12.医療情報システムの安全管理に関する
               ガイドライン第4.1版
  13.医療情報システムの安全管理に関する
               ガイドライン第5版

●column 医療情報の標準化

4 電子カルテ利用の3条件


 Ⅰ.電子カルテの3条件

  1.3条件とは
  2.3条件の留意事項
  3.3条件実施の自己責任

 Ⅱ.真正性とは

  1.作成責任者の識別と認証
  2.確定操作の記録
  3.更新履歴の保存と管理
  4.システムの管理
  5.過失による虚偽入力、書き換え、消去、
                  混同の防止

 Ⅲ.見読性とは

  1.情報の所在管理
  2.見読化手段の管理

 Ⅳ.保存性とは

  1.記録媒体の劣化による読み取り不能
              (不完全な読み取り)
  2.ウイルスや不適切なソフトウェアなどによる
            情報の破壊、消去、混同
  3.業務継続の計画不備による
      媒体・機器・ソフトウェアの整合性不備

●column セキュリティと保全性を高める
                秘密分散記憶方式

5 カルテ記載


 Ⅰ.チーム医療に求められるカルテとは
 Ⅱ.POMRとは
 Ⅲ.POMRの作成方法

  1.基礎データ
  2.プロブレムリスト
  3.初期診療計画
  4.経過記録
  5.退院時要約

 Ⅳ.カルテの入力方法

  1.キーボード入力
  2.ペンタブレット入力
  3.音声入力
  4.スキャナ取り込み

●column 診療録とカルテ

6 オーダリングシステム


 Ⅰ.投薬オーダ

  1.薬剤名の確認
  2.内服薬か外用薬の確認
  3.用量の確認
  4.用法の確認
  5.コメントの確認
  6.その他

 Ⅱ.注射オーダ

  1.薬剤名の確認
  2.用量の確認
  3.用法の確認
  4.コメントの確認

 Ⅲ.画像オーダ

  1.撮影項目の確認
  2.撮影部位・条件の確認
  3.コメントの確認
  4.予約の確認

 Ⅳ.検査オーダ

  1.検体検査
  2.生理検査

 Ⅴ.リハビリテーションオーダ

  1.療法の確認
  2.リハビリテーションの目的
  3.患者情報の確認
  4.リハビリテーション実施計画書の確認

 Ⅵ.栄養オーダ

  1.食種の確認
  2.主食の形態・量の確認
  3.副食の形態・量の確認
  4.コメントの確認

 Ⅶ.処置オーダ

  1.処置名の確認
  2.使用した薬剤や器材の種類の確認
  3.使用した薬剤や器材の数量の確認

 Ⅷ.予約オーダ

  1.予約項目の確認
  2.スケジュールの確認
  3.コメントの確認

●column 医療事務職の役割分担




7 クリティカルパス


 Ⅰ.クリティカルパスとは
 Ⅱ.クリティカルパスの原則
 Ⅲ.電子カルテでのクリティカルパスの作成
 Ⅳ.電子化クリティカルパスの運用の活性化に
                  必要なこと

  1.効率的であることの条件
  2.情報共有のための条件

 Ⅴ.医療安全上の電子化クリティカルパス運用の
                    注意点
 Ⅵ.クリティカルパスの見直し

  1.EBM的検討
  2.ケア内容の論理的検討
  3.ベンチマークによる検討
  4.収集したバリアンスデータの分析
  5.DPC診療情報分析システムを利用した
                バリアンス分析

●column クリティカルパス見直しの実際

8 部門システム


 Ⅰ.薬剤部門システム

  1.調剤支援システム
  2.薬剤管理指導支援システム
  3.医薬品情報提供システム
  4.薬品管理システム
  5.薬物血中濃度測定(TDM)

 Ⅱ.放射線部門システム

  1.放射線情報システム(RIS)
  2.画像診断装置(モダリティ)
  3.画像管理サーバ
  4.画像情報管理システム(PACS)
  5.画像参照システム

 Ⅲ.検査部門システム

  1.検体検査システム
  2.生理検査システム
  3.細菌検査システム
  4.病理検査システム
  5.輸血管理システム

 Ⅳ.リハビリテーション部門システム
 Ⅴ.栄養部門システム
●column 医療機関で取得したい情報管理に関する資格

9 情報セキュリティ


 Ⅰ.情報セキュリティとは
 Ⅱ.情報セキュリティ事故発生の3要件
 Ⅲ.情報資産への脅威
 Ⅳ.情報セキュリティ対策の5つの機能

  1.抑制機能
  2.予防機能
  3.防止機能
  4.検知機能
  5.回復機能

 Ⅴ.情報セキュリティ対策の分類

  1.情報セキュリティ対策への要求事項
  2.情報セキュリティ対策の種類

 Ⅵ.物理的セキュリティ対策

  1.建物・設備対策
  2.盗難などへの対策
  3.災害対策

 Ⅶ.技術的セキュリティ対策

  1.個人認証
  2.ウイルス対策
  3.コンピュータなどの破棄
  4.暗号化

 Ⅷ.組織的セキュリティ対策

  1.情報セキュリティ・ポリシー
  2.情報セキュリティ組織体制
  3.教育・訓練
  4.情報セキュリティ関連法律

●column ハッカーとクラッカー

10 個人情報保護


 Ⅰ.プライバシーと個人情報
 Ⅱ.守秘義務
 Ⅲ.医療情報の二面性(一次利用と二次利用)
 Ⅳ.個人情報保護の動き
 Ⅴ.EUデータ保護指令
 Ⅵ.EU一般データ保護規則
 Ⅶ.日本における個人情報保護への歴史
 Ⅷ.個人情報保護法

  1.個人情報取扱事業者
  2.個人情報の定義
  3.医療施設ごとに異なる個人情報保護の法律
  4.医療・介護分野の個人情報保護ガイダンス
  5.個人情報の利用目的の特定と通知
  6.個人情報の利用目的による制限
  7.個人情報の適正な取得と正確性の確保
  8.個人情報の取得と安全管理措置
  9.個人情報の第三者への提供
  10.第三者への提供に関する記録
  11.個人情報の開示・訂正など
  12.匿名加工情報の取扱い
  13.罰則
  14.個人情報保護の適用の除外
  15.個人情報を漏えいしたときの対応

 Ⅸ.次世代医療基盤法

  1.次世代医療基盤法の目的
  2.認定匿名加工医療情報作成事業者
  3.匿名加工医療情報の流通
  4.匿名加工の方法
  5.医療画像の匿名加工

●column 日本国における法の構成
2024年10月 新刊追加