gleen
救命・救急医学一覧

救急救命士国家試験過去問題集 第38~47回   胸痛・呼吸困難完全マスター   救急救命士国家試験対策 〇×問題集2005   救急救命士国家試験対策 ロジックで解く状況設定問題① 腹痛・背部痛完全マスター   改訂第2版 病院前 周産期救急実践テキスト
新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際 改訂第2版   必携 救急資器材マニュアル 改訂第2版   Qカード -病態把握能力向上ゲーム-   いのちを紡ぐ、こころを紡ぐ   LAC+USC 外傷初期診療マニュアル
在宅療養傷病者救急対応マニュアル   救急用語事典 改訂第2版増補   標準 多数傷病者対応MCLSテキスト 補完版   ER外国人診療ポケットマニュアル   標準多数傷病者対応MCLSテキスト 増補
MCLS-CBRNEテキスト―CBRNE現場初期対応の考え方―改訂第2版   Active POT指導マニュアル   やさしく学ぶ応急手当 止血の方法   Vol.3 POTファシリテーター養成マニュアル   翻訳 外傷手術手技アトラス
POT Basicガイドブック   災害薬事標準テキスト   緊急検査すぐ確認!!   必携 救急観察処置スキルマニュアル   続POTファシリテーター養成マニュアル
病院前 精神科救急 55事例から学ぶ対応テキスト   POTファシリテーター養成マニュアル   ERドクター便利帳 輸液再確認!!        
救命・救急医学
救急救命士国家試験過去問題集 第38~47回

個数:
救急救命士国家試験過去問題集
第38~47回

[ 監 修 ] 小菅 宇之
[ 発行年 ] 2024年5月15日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判 428頁
[ 定 価 ] 4,400円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-88-8
[ 主な内容 ]
●受験生のサブテキストに最適 !
●過去10年間分の問題が解説付きで1冊に !
●3回繰り返してチャレンジしよう !

救急救命士国家試験対策 〇×問題集2005

個数:
救急救命士国家試験対策
“なるほど納得”状況設定問題②
胸痛・呼吸困難完全マスター

[ 編 著 ] 畑中 哲生
[ 発行年 ] 2024年10月10日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A5判 100頁
[ 定 価 ] 1,980円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-93-2
[ 主な内容 ]
●国家試験対策必携書第2弾!
●胸痛と呼吸困難の課題を解決‼
●読んで“なるほど”と納得!


序文

 今回取り組むことになった主訴の1つである「胸痛」は、「腹痛」に比べればだいぶわかりやすい。それもそのはず、内臓痛の発生源となる臓器(大血管と心臓)は胸部の真ん中にきちんと収まっている。腹部にある内臓痛の発生源のように身体の中のあちこちに迷走したりはしない。この比較的わかりやすい「胸痛」の有無と、「呼吸困難」の有無との組み合わせによって、「胸痛」や「呼吸困難」を主訴とする問題の多くが解決することになる。実際に取り組んでみて、その様子を感じ取って頂きたい。
 なお、第3弾(最終シリーズ)は「意識障害と心電図」である。

令和6年10月吉日
畑中 哲生

CONTENTS


Step 0
Step 1(問 1~3)
Step 2(問 1~3)
Step 3(問 1~3)
Step 4(問 1~20)





救急救命士国家試験対策 〇×問題集2005

個数:
救急救命士国家試験対策 〇×問題集2025
救急救命士国家試験出題基準(令和6年度版)準拠

[ 監 修 ] 丸川征四郎
[ 編 著 ] 小菅 宇之
[ 発行年 ] 2024年6月20日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A5判変形 400頁
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-89-5
[ 主な内容 ]
●設問は4,150題
●完全クリアで準備万端!!
●〇×式勉強法で実力UP!!


監修のことば

 多くの読者から、〇×問題集について「クラスでも何人も購入しています」「見落としやすいポイントがわかり効率的に勉強できます」「優等生が絶賛していました」などの声を頂いています。
 国家試験受験生の座右の書として、また救急救命士を目指すべての皆さんの復習書として役立つものと確信しています。

 本書(2025年版)は、救急救命士国家試験出題基準(令和6年度版)に準拠して作成しています。例年同様、すべての設問と解説を総点検し、必要な加筆修正を行いブラッシュアップするとともに、問題も追加しました。

本書の特徴
1. 設問数が4,150題に増加
 令和6年度救急救命士国家試験出題基準の小項目と備考の項目も、漏れのないよう配慮しています。
2. 開いたページが今日のページ
 どのページからでも、気軽に知識の確認、学習が可能です。パラッと開いたページが今日の学習課題です。
3. 短時間でサクッと習得
 通学の電車や友人との雑談など、短い空き時間に学習できるよう工夫してあります。見開きページは15分程度が目安です。
4. 試験の直前対策
 試験の直前対策には、解説ページを熟読するだけでも知識の整理と再確認ができます。

 知識を確実に身につけるには、知識を整理し繰り返して読み直すことが必要です。根気と根性で頑張りましょう。

令和6年6月吉日
丸川 征四郎


本書の活用法

〈 実力を付けるための活用法 〉
  • 設問が正しい場合は、設問文を理解し記憶して解説文で知識を広げる。
  • 設問が誤りの場合は、設問文の誤りを明確に修正し、解説文と照合する。修正する場合、自分で別紙に解説文を書くことを勧める。動作が記憶回路を活性化する。




〈 試験直前に知識を強固にするための活用法 〉
  • 設問が正解の設合は、設問文を通読する。
  • 設問が誤りの場合は、解説文を通読する。



〈 複数人で解答を競い理解を整理する活用法 〉
  • 1人で勉強するとわかった気になる。これが最大の失敗原因である。他人に聞かれて言葉で答えると理解不足が露呈する。また、他人の答えを聞くことで自分の理解不足が明確になる。
  • この方法は、知識が同じ程度の仲間なら最も効率がよい勉強法である。




〈 「サクッと15分」を実行する 〉
  • 1ページをだいたい15分で解答できるようになってほしい。
  • 電車の中、休憩時間、寝る前など、「今から15分間、○×問題集をやるぞ」と宣言して、15分間集中する。
  • 復習が大切! 2~3時間以内に必ず復習する。





 受験生諸君、成功を祈ります!!

目次


基礎専門分野


Ⅰ.人体の構造と機能

 1 体表からみる人体の構造
 2 人体の構成
 3 生命の維持
 4 神経系
 5 感覚系
 6 呼吸系
 7 循環系
 8 消化系
 9 泌尿系
 10 生殖系
 11 内分泌系
 12 血液・免疫系
 13 筋・骨格系
 14 皮膚系

Ⅱ.疾患の成り立ちと回復の過程

 1 疾患
 2 臓器と組織の変化

  ①炎症
  ②循環障害
  ③代謝障害
  ④退行性病変
  ⑤腫瘍
  ⑥先天異常
  ⑦損傷

 3 感染
 4 死

Ⅲ.健康と社会保障

 1 保健医療制度の仕組みと現状
 2 社会保障・社会福祉を支える仕組み


専門分野


Ⅰ.救急医学概論

 A 病院前医療概論

  1 生命倫理と医の倫理
  2 救急医療体制
  3 救命の連鎖と市民教育
  4 メディカルコントロール体制
  5 救急救命士に関連する法令
  6 救急救命士の養成と生涯教育
  7 消防機関における救急活動の流れ
  8 コミュニケーションと問診
  9 安全管理と事故対応
  10 感染対策
  11 ストレス対策
  12 災害医療体制

 B 救急救命処置概論

  1 観察の基本
  2 現場活動の基本
  3 全身状態の観察
  4 局所の観察
  5 緊急度・重症度の判断
  6 資器材による観察
  7 救急救命士が行う処置
  8 救急蘇生法
  9 在宅療法継続中の傷病者の処置
  10 傷病者搬送

 C 必要な医学知識

  1 医薬品
  2 検査
  3 放射線




Ⅱ.救急症候・病態生理学

 A 救急病態生理学

  1 呼吸不全
  2 ショック
  3 心不全
  4 重症脳障害
  5 心肺停止

 B 救急症候学

  1 意識障害
  2 頭痛
  3 痙攣
  4 運動麻痺
  5 めまい
  6 呼吸困難
  7 喀血
  8 失神
  9 胸痛
  10 動悸
  11 腹痛
  12 吐血・下血
  13 腰痛・背部痛
  14 体温上昇
Ⅲ.疾病救急医学

 1 神経系疾患
 2 呼吸系疾患
 3 循環系疾患
 4 消化系疾患
 5 泌尿・生殖系疾患
 6 内分泌・代謝・栄養系疾患
 7 血液・免疫系疾患
 8 筋・骨格系疾患
 9 皮膚疾患
 10 眼・耳・鼻の疾患
 11 感染症
 12 小児と救急疾患
 13 高齢者と救急疾患
 14 妊娠・分娩と救急疾患
 15 精神障害

Ⅳ.外傷救急医学

 1 外傷総論
 2 外傷の病態生理
 3 現場活動
 4 頭部外傷
 5 顔面・頸部外傷
 6 脊椎・脊髄外傷
 7 胸部外傷
 8 腹部外傷
 9 骨盤外傷
 10 四肢外傷
 11 小児・高齢者・妊婦の外傷
 12 熱傷
 13 化学損傷
 14 縊頸・絞頸
 15 刺咬症

Ⅴ.環境障害・急性中毒学

 1 中毒総論
 2 中毒各論
 3 異物
 4 溺水
 5 熱中症
 6 偶発性低体温症
 7 放射線障害
 8 その他の外因性疾患


※出題基準の専門分野Ⅳ-11「皮膚・軟部組織外傷」は
 Ⅳ-1「外傷総論」に含む
救急救命士国家試験対策 ロジックで解く状況設定問題① 腹痛・背部痛完全マスター

個数:
救急救命士国家試験対策
ロジックで解く状況設定問題①
腹痛・背部痛完全マスター

[ 編 著 ] 畑中 哲生
[ 発行年 ] 2024年2月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A5判 85頁
[ 定 価 ] 1,980円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-86-4
[ 主な内容 ]
●国家試験対策必携書!
●CD問題に強くなろう‼
●ロジカルシンキングでスキルアップ!


序文

 救急救命士国家試験の状況設定問題(C・D問題)について、どのように取り組んだらよいのかわからないという声を聞く。さもありなむ、と思う。状況設定問題を解くとは、すなわち症候学の実践である。症状や徴候(症候)から出発して病態を推測する。救急現場で傷病者に対応する場合も同様である。ところが、今の救急救命士教育は症候学を重視しているとはいい難い。国家試験出題基準をとってみても、救急症候学に割かれているのはわずか8頁、全体の1割程度に過ぎない。症候学が解剖や病態生理など、さまざまな知識のうえに成り立つものである限り、解剖や病態生理を優先させるのはやむを得ないのかもしれないが。

 腹痛・背部(腰)痛はありふれた症候でもあり、厄介な症候でもある。厄介な理由は、腹部には多くの臓器があること、痛みが発現する部位が必ずしも傷害臓器の位置と一致しないことにある。しかし、痛み発現の機序を体系的に理解できれば、この問題の多くは解決する。
 本書が腹痛・背部(腰)痛に関する悩みを解決するための一助になることを期待する。
 なお、第2弾は循環器疾患である。
 令和6年1月吉日
 畑中 哲生


CONTENTS


0 ROUND
1 ROUND(問 1~11)
2 ROUND(問12~24)






改訂第2版 病院前 周産期救急実践テキスト

個数:
改訂第2版
病院前 周産期救急実践テキスト

[  著  ] 高橋文成
[ 発行年 ] 2023年8月25日
[ 分 類 ] 救命・救急医学 産婦人科
[ 仕 様 ] A4判・88頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-84-0
[ 主な内容 ]
●母体搬送に必要なエキスが満載!!
●「京都プロトコール2020」に対応。
●病院前周産期救急の基本を簡潔にまとめた解説書の改訂版。
●さまざまな場面を想定した13個のケースを提示。
●母体急変対応の基礎が学べる必携書!!。


改訂第2版に寄せて

 平成27年に病院前周産期救急実践テキストを発行して7年。「京都プロトコール」も「京都プロトコール2020」に変わり改訂版を作成しなければと思っていました。
 現場で疾病者の搬送を速やかに適切に行わなければならない救急救命士、救急隊員の皆様は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により大変なご苦労をされたことと思います。またこの記事を書いているこの時期には熱中症の対応で現場は混乱していると伺います。『救急車逼迫アラート』の発表を聞くと、現場の皆様には頭の下がる思いです。
 J-CIMELSで母体救命システムの普及活動を行う中、COVID-19により一時期は講習会の開催すら難しいときもありました。そんな中、開業医や高度医療機関でも無痛分娩が多く実施されるようになり、妊婦さんにとって無痛分娩という選択肢が当たりまえの時代へ突入しつつあります。
 そこで本書でも無痛分娩にかかわるケーススタディを追加し、無痛分娩に関連するものを2ケース、他の症例1ケースを新しく加えました。
 最近ではJ-CIMELSベーシックコースをはじめ周産期領域の救急現場学を習得するための機会が徐々に増えてきました。このような講習会に参加して頂き、また本書を読んで頂くことで妊産婦の搬送にあたり少しでもお役に立てれば幸いです。
 そして「京都プロトコール2020」の引用に関してご快諾を賜わった橋井康二先生に、改めて深謝致します。
 令和5年7月吉日
高橋 文成


目次


Ⅰ・総 論


1.はじめに
2.女性のからだ
3.月経とは

  1.「搬送時に聞いておきたい内容(問診)」について

4.妊娠

  1.妊娠による母体の変化、胎児の発育
  2.妊娠に関連する疾患について
  3.未受診妊婦について

5.高齢妊娠について

  1.合併症妊娠について

6.分娩に関して
7.母体搬送に関して

Ⅱ・周産期救急


1.搬送時の母体急変のサインとは
2.バイタルサインのおさらい
3.妊婦の急変対応(病院内では)
4.急変対応の心肺蘇生
5.死戦期帝王切開

Ⅲ・ケーススタディ


1.妊娠初期に出血をきたしたケース

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  病院到着時
  院内で行われた処置
  ●解説 流産

2.切迫早産治療中患者が子宮収縮抑制不能となったケース

  傷病者情報
  現場(病院)到着時
  救急車内
  高度医療機関到着時  
  高度医療機関で行われた処置
  ●解説 切迫早産

3.正常分娩後に出血が増加し、全身状態悪化のため母体
  搬送となったケース

  ●解説 弛緩出血
  このケースでの搬送に際して行うべきこと
  搬送中の急変サイン(例外もあるため参考値)
  弛緩出血について
  産婦人科領域の救急救命処置の範囲について
  子宮輪状マッサージ

4.胎盤娩出直後に腹部激痛および大量出血を引き起こした
  ケース

  ●解説 子宮内反症
  救急車に乗った後にモニタリングする項目
  このケースで搬送に際して行うべきこと
  搬送中の急変サイン
  子宮内反症について

5.未受診妊婦が自宅で性器出血をきたし搬送となったケース

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  高度医療機関到着時  
  高度医療機関で行われた処置とその後
  ●解説 前置胎盤
  未受診妊婦について




6.常位胎盤早期剥離のケース

  陣痛室
  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  高度医療機関到着時
  高度医療機関で行われた処置
  ●解説 常位胎盤早期剥離

7.けいれんと意識障害を起こした妊婦

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内での母体管理のポイント
  ●解説 妊娠高血圧症候群・子癇
  妊娠中の頭痛、けいれん、意識障害を起こすもの

8.破水妊婦が分娩進行とともに呼吸苦を訴えたケース

  「入院後個室」午後12時30分
  「陣痛室」午後12時50分
  午後12時55分
  傷病者情報
  13時00分
  現場到着時
  救急車内で行われた処置
  ●解説 羊水塞栓症

9.精神疾患合併妊娠について

  症例
  ●解説 精神疾患合併妊娠

10.車内分娩のケース

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  今回のケースの児の状態
  産婦人科領域で可能な処置
  一連の流れ
  胎盤の処置  
  新生児の蘇生(口腔内吸引、酸素投与、保温)
  アプガースコア
  ●参考 酸素投与
  ●まとめ

11.帝王切開術中の急変ケース

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  高度医療機関到着時
  高度医療機関で行われた処置
  ●解説 アナフィラキシーショック

12.無痛分娩開始後に異常言動をきたした妊婦

  傷病者情報
  現場到着時
  救急車内
  高度医療機関到着後
  高度医療機関からの報告
  ●解説 局所麻酔薬中毒

13.無痛分娩中に緊急帝王切開になり術中呼吸抑制をきたした症例

  傷病者情報
  現場到着時(午後14時40分)
  救急車内
  高度医療機関到着時
  高度医療機関で行われた処置
  ●解説 全脊髄くも膜下麻酔

新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際 改訂第2版

個数:
新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際 改訂第2版
「化学テロにおける神経剤解毒剤自動注射器の使用に関する研修テキスト」付

[  著  ] 阿南英明
[ 発行年 ] 2022年10月1日
[ 分 類 ] 救急医学
[ 仕 様 ] A4判 本文73頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-76-5
[ 主な内容 ]
●厚生労働行政推進調査事業研究成果「化学テロ等発生時の多数傷病者対応(病院前)活動に関する提言~被害者の救命率の向上と対応者の安全確保の両立を目指して~」と「化学テロにおける神経剤解毒剤自動注射器の使用に関する研修テキスト」を1冊に集約。
●「多数の救命」の観点から、効率的で現実的な救護・医療活動の在り方を具体的に示している。
●新たな化学テロの現場対応に関する検討に最適。
●「健康危機管理」に携わる人材育成のサブテキストに!



序文

 2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の世界中へのまん延は、日常とは異なる緊急事態への対処の困難性とその重要性をわれわれに再認識させた。このように人々の健康維持に大きな障害をもたらす事態が発生したときに、迅速にかつ適切に対応して、国民の健康被害を最小化する備え「健康危機管理」にかかわる教育は不可欠である。感染症に限らず、化学剤や放射性物質など、われわれの日常生活に大きな損害を与える危機事態はさまざまに想定されている。
 実際に1995年に松本と東京の2つのサリン散布テロは日本人の心に深い傷を負わせた事件を経験している。多くの人命を奪い、多くの人を傷つけた。そして今でも心と身体の後遺症に苦しむ方々がいらっしゃり、このような不幸なテロ行為をわれわれは決して許してはいけない。
 その後の四半世紀の期間でさまざまな危機管理の取り組みが行われてきた。悪意あるテロ行為は仕かけるものとそれを防ごうとするものの永遠の競争であるが、海外での科学的な研究成果と実践の中で磨かれた成果が少しずつ結実している感がある。

 こうした最新の成果を反映させて、われわれは概念、知識、技術、技能を改変する必要がある。小井土雄一先生を研究代表として平成29年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 厚生労働科学特別研究事業、平成30年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会等に向けた化学テロ等重大事案への準備・対応に関する研究」が行われ、筆者は分担研究「化学テロ等発生時の多数傷病者対応(病院前)についての研究」を担当させて頂く機会を得て、近年の研究や先進諸外国の指針などを参考に医科学的根拠に基づいて、本邦における化学テロ発生時に対応者の安全確保に加え、「多数の救命」の観点から、効率的で現実的な現場対応の在り方を示した。
 この研究成果として「化学テロ等発生時の多数傷病者対応(病院前)活動に関する提言~被害者の救命率の向上と対応者の安全確保の両立を目指して~」をまとめ、その内容を「新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際」として2019年に出版した。また、令和元年度には神経剤解毒剤自動注射器の使用に関して、厚労省「化学災害・テロ対策に関する検討会」での議論を経て、消防士、警察官、海上保安官、自衛隊員など医師・看護師以外の救助者が解毒剤自動注射器を使用できる体制と考え方が整理された。生命の危機に瀕した人を救うための行為としての解毒剤自動注射器の使用について、その違法性が阻却されるための条件がまとめられたのである。これを受けて、神経剤解毒剤の自動注射器の使用に関する約3時間のe-ラーニング講習と実技評価が開始され、講義学習と自動注射器使用の判断および使用の演習内容に準拠した「化学テロにおける神経剤解毒剤自動注射器の使用に関する研修テキスト」を2021年に出版した。

 この度、一連の内容である両書を1冊にまとめて「改訂第2版 新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際-化学テロにおける神経剤解毒剤自動注射器の使用に関する研修テキスト付-」として新たに出版することになった。わが国における化学テロ現場の対応に本書を活用され、「健康危機管理」に携わる人材育成の一翼を担うことを願う。

2022年9月吉日

            神奈川県理事(医療危機対策統括官)・藤沢市民病院副院長
阿南 英明



目次

第1部


新・化学テロ現場 病院前活動の考え方と実際

●化学テロ現場において期待される現場活動の流れ
●化学テロ等発生時の多数傷病者対応(病院前)活動に関する
                      提言の目的


Ⅰ.テロに使用される化学剤の特性

 1.化学剤の分類
 2.物質の化学特性
 3.拡散の方法
 4.特殊な状況
 5.吸収について
 6.テロとして使用される化学剤の特性

Ⅱ.事案の想起
Ⅲ.避難・救助

 1.拡声器等を用いて避難を指示する
 2.救 助
 3.迅速に優先度判断

Ⅳ.多様な要救助者対応

 1.要配慮者への支援
 2.資機材準備を待って救助、除染活動開始を遅らせない
 3.自力移動できない被災者をグループ化して対応する
 4.救助時の搬送訓練等を日常的に実施する

Ⅴ.コミュニケーション(被災者への情報提供・除染方法の
                   伝達・行動誘導)
Ⅵ.除 染

 1.除染とは
 2.除染に関するパラダイムシフト

〈 各 論 〉

 1.脱衣(Disrobing)
 2.即時除染(Improvised decontamination)
 3.放水除染(Gross decontamination)
 4.専門除染(Technical decontamination)

Ⅶ.防護と検知

 1.個人防護具(PPE)について
 2.PPEのレベルについて
 3.検知について

Ⅷ.ゾーニング
Ⅸ.現場医療

 1.現場で求められる救護技能
 2.曝露後早期の解毒剤投与の必要性
 3.化学テロにおける本邦医療チームの現状
 4.医療の早期介入に関する課題と対応策

Ⅹ.警察捜査との連携の重要性

 1.消防当局・医療機関との連携
 2.公衆衛生・医療当局との連携





第2部

化学テロにおける神経剤解毒剤自動注射器の使用に関する
                    研修テキスト

●はじめに

Ⅰ.講義編

 1.化学災害・テロ総論
 2.神経剤等の化学物質について
 3.神経剤等の化学物質への曝露に対する医療
 4.自動注射器の使用判断モデル

 ◆「神経剤解毒剤自動注射器の使用判断モデル」フロー

  1・化学災害・テロの蓋然性
  2・症状
  3・化学剤検知器
  4・専門家の助言
  5・対象者

Ⅱ.実習編

 1.神経剤解毒剤自動注射器の使用判断実習

 ・ケース1

  1・化学災害・テロの蓋然性
  2・症状
  3・化学剤検知器

 ・ケース2

  1・化学災害・テロの蓋然性
  2・症状
  3・化学剤検知器

 ・ケース3

  1・化学災害・テロの蓋然性
  2・症状
  3・化学剤検知器

 ・ケース4

  1・化学災害・テロの蓋然性
  2・症状
  3・化学剤検知器

2.自動注射器使用実習

 1 使用方法

  ●自分自身に打つ場合
  ●練習用キットの針の戻し方
  ●アトロピン+プラリドキシム製剤の使用方法

 2 実習
 3 評価

必携 救急資器材マニュアル 改訂第2版

個数:
必携 救急資器材マニュアル
改訂第2版

[ 編 集 ] 安田康晴
[ 発行年 ] 2022年4月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A5判・137頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-71-0
[ 主な内容 ]

●救急資器材について最低限知っておくべき内容をわかりやすくまとめたマニュアル本 改訂第2版。
●現場活動ではもとより、救急養成の教育現場のサブテキストとして最適!!

改訂第2版にあたって

 救急現場での資器材取り扱いのトラブル回避に役立つとの思いで、「必携 救急資器材マニュアル」を発刊したが、発刊から7年が経ち資器材もアップデートし、さらに新たな資器材も販売されていることから改訂版を発刊することになった。初版と同様に、救急資器材について、添付文書の内容から最低限知っておくべき使用方法と注意事項、さらにやってはならない事項を抽出し、現在使用している救急資器材について、使用方法の要点と注意事項を理解することにより、救急現場での資器材取り扱いのトラブルが回避できると考えている。(中略)救急現場活動において、救急隊員自らが使用する救急資器材の管理や取り扱いの不備によって、事故を起こしてはならない。救急資器材には必ず、添付文書が添えられ管理や取り扱いについての注意事項が記載されており、その内容を熟知したうえで使用することがリスクマネジメントとして必要である。
 救急隊員・救急救命士の教育現場や既に救急現場活動を行っている救急隊員が、今一度自分たちの「商売道具」である救急資器材の取り扱いと管理について正しい知識をもち、救急現場活動での資器材のトラブルを回避し、円滑に救急現場活動が遂行されることを切に願っている。
 令和4年4月吉日
広島国際大学保健医療学部救急救命学科
教授 安田 康晴


目次


Ⅰ.観察資器材


  1・聴診器
  2・聴診器
  3・パルスオキシメータ
  4・カプノメータ
  5・アネロイド血圧計
  6・電子血圧計
  7・耳式体温計
  8・腋窩電子体温計
  9・ペンライト
  10・血糖測定器

Ⅱ.処置資器材


■【1】 気道管理資器材

  1・開口器(エスマルヒ式)
  2・開口器(コラン式・ハイステル式)
  3・バイトブロック
  4・口腔エアウェイ
  5・経鼻エアウェイ
  6・手動式吸引器
  7・手動式吸引器
  8・新生児用吸引カテーテル
  9・電動吸引器
  10・携帯用電動吸引器
  11・携帯用電動吸引器
  12・吸引用カテーテル(テーパー型)
  13・吸引用カテーテル(ヤンカー型)
  14・喉頭鏡
  15・マギール鉗子
  16・ラリンゲアルマスク
  17・ラリンゲアルチューブ
  18・i-gel
  19・気管内チューブ
  20・スタイレット
  21・食道挿管検知器(EDD)
  22・呼気終末期炭酸ガス検知器(イージーキャップ
  23・呼気ガスディテクタ
  24・チューブホルダー
  25・ビデオ喉頭鏡
  26・ビデオ硬性喉頭鏡
  27・潤滑剤

■【2】 呼吸管理資器材

  1・酸素ボンベ
  2・医療用圧力調整器
  3・酸素吸入装置
  4・ソフト鼻腔カニューラ
  5・マルチベントマスク
  6・中濃度用酸素マスク
  7・高濃度用酸素マスク
  8・ポケットマスク
  9・バッグ・バルブ・マスク
  10・バッグ・バルブ・マスク
  11・携帯用人工蘇生器
  12・携帯用人工蘇生器
  13・人工呼吸器




■【3】 循環管理資器材

  1・心肺蘇生用背板
  2・ショックパンツ
  3・自動心臓マッサージ器
  4・自動心臓マッサージ器
  5・自動心臓マッサージ器
  6・自動心臓マッサージ器
  7・半自動除細動器
  8・半自動除細動器
  9・一時使用ペーシング機能付き除細動器

■【4】 外傷処置資器材

  1・ハイテクバックボード
  2・スクープストレッチャー
  3・バキュームスプリント(部分固定用)
  4・バキュームスプリント(全身用)
  5・副子
  6・梯状副子
  7・牽引副子
  8・頸椎カラー
  9・KED
  10・止血帯(NARターニケット)
  11・止血帯(RMT)
  12・チェストシール

■【5】 感染防護具

  1・手袋
  2・サージカルマスク
  3・N95マスク
  4・感染防止衣
  5・ゴーグル

■【6】 輸液・静脈路確保

  1・輸液製剤(乳酸リンゲル液)
  2・輸液セット
  3・駆血帯(井の内式)
  4・静脈留置針
  5・針廃棄容器
  6・静脈可視化装置


Ⅲ.搬送資器材


1・メインストレッチャー
2・メインストレッチャー
3・メインストレッチャー
4・電動ストレッチャー
5・電動ストレッチャー
6・サブストレッチャー
7・サブストレッチャー
8・バスケット型ストレッチャー
9・エアーストレッチャーFDM
Qカード -病態把握能力向上ゲーム-

個数:
Qカード
-病態把握能力向上ゲーム-

[ 監 修 ] 畑中 哲生
[ 編 集 ] 湖南広域消防局
[ 発行年 ] 2022年2月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判 20頁(付録付き)
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-69-7
[ 主な内容 ]
●ゲーム感覚で楽しく遊ぶユニークな教材が誕生!!
●①症状、②検査所見、③既往歴・リスク、④次に起こること、⑤観察・処置の5種類のカードを使って病態把握能力を向上させよう!!


フィールドマットがここからダウンロードできます。
プリントしてお使いください。ラミネートがお薦めです。

監修のことば

 傷病者の病態把握は救急隊活動の基本骨格である。必要な処置は何か…酸素投与? 補助呼吸? ショック体位か頭高位か? 輸液? ? その処置はどこで行うか…今すぐに? 救急車を出発させた後で? ? 搬送すべき医療機関はどこか…救命救急センター? 直近の脳外科対応2次医療機関? ? 備えておくべき搬送中の突発事態は何か…。これら救急隊に求められる判断の重要な基準となるのが傷病者の病態である。
 このように重要な病態把握であるが、病院前で行うのは大変に難しい。情報量が限られているうえに、厳しい時間的制限があるからである。救急現場で得られる情報のうち、他覚所見としては救急隊員の五感に基づくABCのほかに、血圧、SpO2、心電図と視診・触診・聴診の所見と、いくつかの身体検査に基づく所見がせいぜいである。病院の診察室で得られる血液・超音波・画像検査の情報量にははるかに及ばない。
 いきおい救急現場では主に問診(できれば傷病者本人、難しい場合は状況を知る関係者)から得られる情報…、すなわち発症の経過、既往歴とその治療状況、現在の自覚症状の性状などが病態把握のための重要な助けとなる。そもそも患者への問診は病院内の診療においても最も重視される診断過程である。しかし、悲しいかな病院前ではその重要な問診をじっくりと行うほどの時間的余裕はない。使える時間はせいぜい90秒くらいだろうか。焦点を絞った問診の技術が必要となる。
 要領を押さえた問診と手際よい観察によって病態把握に至るには、個々の情報をいかに連関させるかにかかっている。1つの情報に基づいて、次に必要となる情報を吟味し、それを明らかにするための問診・観察を追加する。これは複雑なパズルを解くような作業ともいえる。
 この技能を、若者ならではの自由な発想の“ゲーム感覚で楽しく学ぶ”ためのユニークな教材が、この「Qカード」である。ゲーム形式とはいえ、勝つこと、相手を打ち負かすことが目的ではない。まったくの初学者だけで完結できるものではないが、指導者が学習者をより高い技能に導くためには優れた教材となっている。互いに切磋琢磨しながら、指導者も学習者も自分自身が何がわかって何がわからないのかを再認識することもできる。
 ともすると、若いエネルギッシュな感性から生まれた発想は、型どおりではないとか、慣例とは違うなどの理由で排除されてしまいがちだが、今回の企画は、若者の新たな発想に湖南広域消防局の消防局長をはじめ、救命救急課長等々が共感し、見守り、育て、導こうとする懐の深さがあったからこそ誕生したといえる。年齢に関係なく、柔軟な発想に対応できる感性を磨くことが未来につながっていくのだと。
 「Qカード」が今後、多くの方々の馴染みの教材として愛されていくことを切に希望する。
   2022年1月吉日
救急振興財団救急救命九州研修所 教授 畑中 哲生

序文

 湖南広域消防局では、救急業務に携わる職員教育の一環として、指導救命士が中心となり救急業務研修を実施しています。その中で、現場経験や医学的な知識量に個人差があることから、この状況を解決するため、傷病者の病態把握や効果的な情報伝達内容をゲーム感覚で学ぶことができる教材として「Qカード」を考案しました。
 この「Qカード」が、病院前救護にかかわる消防職員を含む医療従事者の教育、研修教材として広く活用され、救急業務のさらなる質の向上に寄与できればと願っております。
   2022年1月吉日
湖南広域消防局 消防局長 行村 浩一

まえがき

「わからんことあれば聞くこと」「テキストを見て勉強すること」
 消防に入って間もなく、先輩からよくこんなことを言われました。しかし、自分自身、何がわかっていないのかを理解しなければ具体的な疑問が生まれるわけはなく、何を勉強すればいいのかさえ明確にわかっていませんでした。そもそも疑問とは、経験を積み、物事の良し悪しを判断する材料が増える中で、想定外の価値基準が発生したときに生まれるものであり、経験値のないときに疑問は生まれるはずがありません。
 経験をより効果的な学びに変換するためには、それをどんな場面にでも応用がきく形に整理することが必要になります。しかし、救急出動件数の増加や処置拡大等における救急活動の複雑化により、具体的な経験を内省する時間は減少していることから、時間と労力のかかる教育方法だけでない、効果的かつ効率的な方法で隊員を育成しなければならない時代だと考えました。
 病院前救護で活動する救急救命士に求められる能力は、大きく次の2つです。
 ① 傷病者の生命の危険を回避し、容態の悪化を防ぐこと
 ② 迅速に適切な医療機関へ搬送すること
 これらの目的を達成するために必要な能力の1つとして「病態把握能力」があります。救急隊は、限られた人員や資器材の中で活動しており、医療機関に比べると病態の把握については曖昧な部分を抱えながら活動しなければならない特性を有しています。また、搬送が主たる任務で、迅速性が求められるため、多くの知識の中で関連性のある形や組み合わせができるよう整理しておく必要があります。
 われわれは、テキストを開き日々勉強するわけですが、これがとにかく面白くありません。面白くないので、ついついスマートフォンを触る時間の方が多くなったり、挙げ句の果てに眠くなったりすることも…。では、なぜこうなるのでしょうか? 答えは至ってシンプルで、楽しくないから続かない、これもまた当たり前です。
 続けるためには楽しさが必要です。楽しさには「遊び」の要素が存在します。とはいえ、“遊び半分”という揶揄する言葉があるように、遊びは仕事に比べると重要度が低い印象がありますが、遊びの要素こそ続けるための「自律的行動」につながると考えます。それは次の3要素が含まれるからです。
 ① 結果がどうなるかわからないという不確実性
 ② 自分の力である程度結果に影響を与えられるというコントロール性
 ③ 繰り返し行っても、結果によって得られるものが常に違う変則性
 例えば、宝くじは①と③の要素は備わっていますが、②の要素がありません。一方、麻雀やカードゲームなどはこれらの条件をすべて満たしています。
 結果が不確実かつ変則的でも、自分の力を加えることで結果にある程度の影響を与えることができ、ゲーム性を兼ね備えた、チーム全体で楽しく学べる研修教材があればとの思いから考案したのがこのQカードです。Qカードの真髄は「遊び感覚で学ぶ」です。自律という無限の原動力を動かすための起爆剤として「遊び」を取り入れました。
 時代は刻々と変化しています。昨日の常識は明日の非常識とまではいかなくとも、これからは従来どおり、例年どおりでは通用しないことも多くなってくるでしょう。常識に囚われることなく、時代の変化を読み、時代に即したやり方を模索しながら、必要に応じて修正を加えて実行する。これこそが指導救命士の果たすべき責務でもあると私は考えます。
   2022年1月吉日
湖南広域消防局 指導救命士 片山 直広


目次


1 Qカードとは
2 セットの内容
3 カードの種類
4 ゲーム参加対象者・人数
5 対戦方法(ルール説明)
6 禁 忌
7 勝利の条件
8 注意事項
9 上がり方のコツ
10 予備カード
11 学習効果
12 今後の展望





いのちを紡ぐ、こころを紡ぐ

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
いのちを紡ぐ、こころを紡ぐ

[ 編 著 ] 山本 保博
[ 発行年 ] 2022年2月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A5判 118頁
[ 定 価 ] 1,430円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-67-3
[ 主な内容 ]
●山本保博先生の半生や国際災害現場の思い出深い体験を通して、救急・災害医療の難しさ、世界的視野を広げることに大切さを、実体験を通して語った類書なき1冊。


はじめに


 本書をつくるきっかけになったのは、2014年から1年間、セキュリティ産業新聞に「国際災害医療協力の現場から」と題して随想を連載したことである。その内容は一部改変して第Ⅱ章にまとめてあるが、それから7年あまりの歳月を経て、新たな内容も加え、この度ようやく刊行するまでに至った。
 今回、編集作業を通して、改めて自分の半生を振り返る機会を得た。
 学生時代に国際貢献として初めてタイ王国に足を運んでから半世紀以上になるが、それ以降のさまざまな経験が私の人生の背骨になっている。世界のどこかで災害が起これば現地に足を運び、瀕死の状態で苦しむ患者の命と向き合い、また、痛みをこらえて何時間も待つ人々の診療を行ってきた。そのときの患者たちは、知らない国の初めて会う医者に自分の命を託しているわけであるから、私たちにかかる重圧は並大抵のものではないが、その重圧を私は患者の信頼に応えたいという強い力に変えて取り組んできたように思う。加えて、水や食料や住環境など、決して恵まれているとはいえない地域であっても、その環境に順応する野性的嗜好能力が自分に身についていたことも幸いした。

 世界は広い。いろいろな文化があり、考え方や思想、宗教も違う。それは実際にその地を訪れ、その地の人たちと会わなければわからない。そして、人とのつきあいには理解し合うことが大切であるし、時には譲歩も必要である。今、世界はバラバラになっている感があるが、それは理解と譲歩が足りないからである。地球という1つの乗り物にのっているのだから“We are on the same boat”と考えるべきである。

 私は本書の編集にあたり、世界に飛び出すことがいかに視野を広げ、人生を切り拓いてくれるかを若い人たちに伝えたいと思った。そして、さまざまなことを体験しながら、いのちを紡ぎ、こころを紡いで頂きたい。
 人の一生とは、多くの人との関わりがあって初めて成り立つことである。時には喧嘩もするし、泣いたり笑ったりもする。しかし、気がつけばそれが自分の宝物であり、勲章である。

 困っている人、病んでいる人にいかに手を差し伸べるか。人のために生きることは人と共に生きること、人に生かされることである。それもまた愉しである。
   令和4年1月吉日
山本 保博


目次


Ⅰ 記憶と体験


生態観察に夢中になった中学・高校時代
忘れられないタイ王国医療ボランティアの旅
“待ち”の医療から“病院前”医療開始の時代へ
数十回にわたる国際医療支援への道

Ⅱ 随想―国際災害医療協力の現場から―


1.日本の国際緊急医療支援と私のかかわりを振り返る
2.災害現場の民族の壁と宗教の壁を考える
3.世界の災害現場では傷病者の病態や対処法は
                   想定を超える
4.世界の災害医療支援でわかった災害弱者の知恵
5.国際支援は多くの壁を乗り越える必要がある
6.難民医療で見たクルド人の感謝の表現
7.イラク戦争前後のイラク、シリアで考えたこと
8.世界の災害現場では予想を超えた損傷がある
9.途上国ではミネラルウオーターも安全ではない
10.原因が複雑な災害に出動することも時には
                    必要である
11.子どもは最も優先順位の高い災害弱者である
12.日本の祭りと世界の祭りのリスクを考える
13.地球温暖化による気象災害や危険感染症はより
                    深刻化する
14.テディベアを連れて入院する小児は元気を取り戻す




Ⅲ 鼎談「日本、そして世界の災害医療に臨む」


JDR医療チームはモチベーションの高い医療従事者の集合体
人為災害か、自然災害か、複合災害か、特定できない
                  災害は多々あるもの
難民救護の課題は長期化と医療水準の役割分担
国際化の進展などで災害医療は複雑化する
足の甲に接吻して頂いたエチオピアでの思い出

Ⅳ 対談「支流といわれた救急医療を本流へ」


救急医療の現場は患者の命を救うためにみんな奔走していた
日本の災害医療は国際災害から始まった
“走る災害医療ステーション”がいよいよ完成
メディアと世論を巻き込んで救急隊員の処置拡大を実現
災害医療を目指す医師は下痢をしないこと
LAC+USC 外傷初期診療マニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
LAC+USC 外傷初期診療マニュアル
THE INITIAL ASSESSMENT AND MANAGEMENT OF TRAUMA(翻訳)

[ 監 訳 ]  松島 一英
[ 発行年 ] 2021年4月1日
[ 分 類 ]  救命・救急医学 外科一般
[ 仕 様 ]  A4判・127頁
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-62-8
[ 主な内容 ]
●待望の「RED BOOK」翻訳版が刊行! 初期研修医から上級医まで、幅広い救急医・外科医の必読テキスト!
●日常診療で陥りやすいピットフォールや、クリニカルパールが随所に!
●鈍的外傷、鋭的外傷に対する初期診療は特に必読です!



翻訳版 序文

 外傷初期診療に関する教科書は数多く存在するが、このRED BOOKほど実践的な内容のものはおそらく存在しないであろう。
 全米有数の症例数を誇るレベル1外傷センターにおける筆者らの長年の経験をもとに作成された本書は定型的な教科書とは一線を画しており、日常診療で陥りやすいピットフォールや案外知られていないクリニカルパールがふんだんに含まれている。しかも、忙しい日常診療の合間にも簡単に読めるよう、ポイントを絞った箇条書き形式である点も非常にありがたい。
 鈍的外傷はもちろんのこと、本邦ではあまりみられない銃創や刺創などの鋭的外傷症例に対する初期診療に関する内容は特に必読であり、救急外来担当の看護師や外傷初期診療にまだ自信のない初期研修医、日常的に重症外傷患者の診療にあたっている上級医など幅広い層の医療従事者に是非とも読んで頂きたい。
松島 一英


原著 序文

 この“外傷RED BOOK”は、研修医や医学生、看護師向けの教育目的に作成されてきた。内容は非常に実践的であり、筆者らの外傷外科医、教育者としての経験に基づいたものになっている。この本が外傷患者の診療、特に大事な最初の数時間に備える際の助けとなるはずである。
Demetrios Demetriades, Kenji Inaba



目次


外傷患者の初期診療と蘇生

頭部外傷

口腔顎顔面外傷

頸部外傷

 ■鋭的頸部外傷
 ■鈍的頸部外傷

胸部外傷

 ■鈍的胸部外傷
 ■鋭的胸部外傷

腹部外傷

 ■腹部外傷各論

末梢血管損傷

骨盤骨折

脊椎損傷

神経損傷

軟部組織損傷

ヒト咬傷と動物咬傷

四肢コンパートメント症候群





腹部コンパートメント症候群

銃創と爆傷

熱傷

小児の外傷

高齢者の外傷

妊婦の外傷

蘇生および診断のための手技

 ■救急室での蘇生的開胸
 ■輪状甲状靱帯切開術
 ■鎖骨下静脈カテーテル挿入
 ■内頸静脈カテーテル挿入
 ■骨髄路確保
 ■胸腔チューブ挿入
 ■経皮的胸腔カテーテル挿入
 ■診断的腹腔穿刺/洗浄
 ■四肢出血コントロールに対するターニケットの使用

外傷のスコアシステム

在宅療養傷病者救急対応マニュアル

個数:
必携
在宅療養傷病者救急対応マニュアル

[ 監 修 ] 加藤 節司
[ 編 著 ] 安田 康晴
[ 発行年 ] 2020年10月15日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・48頁
[ 定 価 ] 1,980円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-61-1
[ 主な内容 ]
●在宅療養傷病者対応の実践マニュアル。
●救急要請が多い症候やトラブル対応をわかりやすく解説。



監修のことば

 1992年、第二次医療法の改正で人々の「居宅」が医療を提供する場として位置づけられました。それ以来、在宅医療は進化し続けています。2000年には、新たに創設された介護保険制度によって訪問看護や訪問介護などの居宅系サービスが公的に担保されました。さらに2014年に成立した医療介護総合確保推進法により、医療と介護が一体的にかつ包括的に提供される体制が整備されて以降、在宅医療は、より組織化され、より標準化され、そしてより専門化して参りました。すなわち、現在の在宅医療は、「医療介護の多職種連携による在宅療養支援チーム」の活躍なしには成立し得ない重要な社会資本として、医療と介護を必要とし続ける人々への光明の一つとなっています。
 思い起こせば、救急救命士法が成立し、さらに救急隊員の行う応急処置に在宅療法継続中の傷病者への処置が加わったのが1991年です。プレホスピタルにおける医行為の一部を医師から救急救命士を含めた救急隊員へとタスクシフトし、救急救命士・救急隊員が医療チームの一員となって以来の歴史と在宅医療の歴史は実は大きく重なっています。こうした歴史を振り返りつつ現在の在宅医療に視座を移すと、本書の発刊はまさしく地域の「在宅療養支援チーム」の重要な一員たる救急救命士・救急隊員諸氏の献身を力強く支援するものであることを得心できます。
 本書は簡潔に、その一方で各種ガイドラインに基づき専門的に記述され、さらに読みやすく編纂されています。本書が、全国津々浦々の救急救命士・救急隊員諸氏の手元で、日常の救急現場のみならず在宅療養支援チームの一員として他の多くの専門職と連携する種々の局面において活用され、その結果として地域の人々の生活の質の向上に資することを願うばかりです。

 令和2年10月吉日
 加藤 節司


序文

 救急隊員による在宅療法継続中の傷病者の処置は、1991(平成3)年8月「救急隊員の行う応急処置等の基準」の一部が改正され、応急処置範囲が拡大したものである。「在宅医療」は、「可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けたい」という患者や家族の想いを尊重し、医療や介護などの多職種が連携して、患者の居宅において行われており、近年の高齢化の急速な進展や国の政策とも相俟って在宅医療を受ける患者は急増している。
 また、救急搬送人員の高齢者の占める割合は年々増加し、今後も、これら高齢者も含めた在宅医療を受けている療養者の増加に伴い、原疾患の悪化や合併症の発生、さらに医療機器の不具合などを原因とする救急要請も増加することが予想され、在宅医療継続中の傷病者の対応も重要となる。しかし、在宅医療継続中の傷病者が増加しているものの、救急隊員が対応するためのわかりやすい教科書はこれまで存在していなかった。
 本書の作成にあたり、高齢化先進県の島根県で地域に密着し、法人をあげて在宅療養支援に取り組み地域包括ケアを実践する、社会医療法人仁寿会(強化型在宅療養支援病院)加藤病院病院長の加藤節司先生に監修頂き、在宅医療の現場の視点から、救急要請が必要となる症候やトラブル、また、それらに適切に対応できるように在宅療法に使用する医療機器についてご教示頂いた。
 本書が救急現場における在宅傷病者への適切な対応に少しでも役立てば、我々としても望外の喜びである。
 おわりに、お忙しい中で本書の作成に協力頂いた加藤節司先生、ならびに加藤病院の医師の皆様に感謝します。

 令和2年10月吉日
 安田 康晴



目次


A 呼吸補助療法


Ⅰ 在宅酸素療法(HOT)

  1.在宅酸素療法(HOT)とは
  2.在宅酸素療法(HOT)の適応
  3.在宅酸素療法(HOT)に使用される医療機器
  4.慢性呼吸不全
  5.在宅酸素療法(HOT)におけるモニタリング
  6.救急隊が遭遇する在宅酸素療法(HOT)
                 継続中のトラブル
   ①パニックコントロール
   ②病状の急性増悪に関すること
   ③機器のトラブルに関すること
  7.観察のポイントと救急隊の対応

Ⅱ 在宅人工呼吸療法(在宅持続陽圧呼吸法)

  1.在宅人工呼吸療法(HMV)とは
  2.在宅人工呼吸療法(HMV)の適応
  3.気管切開孔と永久気管孔との違い
   ①気管切開孔
   ②永久気管孔
  4.救急隊が遭遇する在宅人工呼吸療法(HMV)
                 継続中のトラブル
   ①パニックコントロール
   ②病状の急性増悪に関すること
   ③機器のトラブルに関すること
  5.観察のポイントと救急隊の対応


B 栄養療法


Ⅰ 在宅中心静脈栄養法(在宅中心静脈栄養療法)

  1.在宅中心静脈栄養法(HPN)とは
  2.在宅中心静脈栄養法(HPN)の適応
  3.在宅中心静脈栄養法(HPN)に使用される医療機器
  4.救急隊が遭遇する在宅中心静脈栄養法(HPN)
                 継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応

Ⅱ 在宅経腸栄養法(在宅成分栄養経管栄養療法)

  1.在宅経腸栄養法(HEN)とは
  2.在宅経腸栄養法(HEN)の適応
  3.在宅経腸栄養法(HEN)で使用される医療機器
  4.救急隊が遭遇する在宅経腸栄養法(HEN)
                 継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応





C 排泄管理


Ⅰ 在宅自己導尿法・尿道留置カテーテル法・恥骨上カテーテル法

  1.在宅自己導尿法・尿道留置カテーテル法・
                 恥骨上カテーテル法とは
  2.在宅自己導尿法・尿道留置カテーテル法・
                 恥骨上カテーテル法の適応
  3.在宅自己導尿法・尿道留置カテーテル法・
          恥骨上カテーテル法に使用される医療機器
  4.救急隊が遭遇する在宅自己導尿法・尿道留置
     カテーテル法・恥骨上カテーテル法継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応

Ⅱ 人工肛門

  1.人工肛門とは
  2.人工肛門の適応
  3.人工肛門に使用される医療機器
  4.人工肛門継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応


D 在宅注射療法


  1.在宅注射療法とは
  2.在宅注射療法の適応
  3.在宅注射療法に使用される医療機器
  4.在宅注射療法継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応


E 腎代替療法


Ⅰ 在宅血液透析(HHD)

  1.在宅血液透析(HHD)とは
  2.在宅血液透析(HHD)の適応
  3.在宅血液透析(HHD)に使用される医療機器
  4.在宅血液透析(HHD)継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応

Ⅱ 腹膜透析(PD)

  1.腹膜透析(PD)とは
  2.腹膜透析(PD)の適応
  3.腹膜透析(PD)に使用される医療機器
  4.腹膜透析(PD)継続中のトラブル
  5.観察のポイントと救急隊の対応

救急用語事典 改訂第2版増補

個数:
救急用語事典 改訂第2版増補

[ 編 集 ] 坂本哲也 畑中哲生
[ 発行年 ] 2020年10月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学、事典
[ 仕 様 ] A5判 本文1,444頁
[ 定 価 ] 7,920円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-64-2
[ 主な内容 ]
●無比無二の“スタンダード救急事典”、充実した内容で改訂版増補。
●300余項目を新たに加えた6,300語を収録。
●救急医療の現場に携わる医師、看護師、消防職員はもとより、救急医療を学ぶ学生諸氏にとっての机上の1冊、必携書!!



改訂第2版増補序文

 ここ最近の傾向として、毎年のように豪雨による自然災害が日本各地で多発している。併せて2019年12月下旬に中華人民共和国の武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、瞬く間に世界に飛び火し、予防薬も治療薬もままならない今、日本はもとより世界各国でいまだに多くの犠牲者が出ている。こうした自然災害や感染拡大は医療界を疲弊させながらも、早急な対応と体制整備が求められているのが現状である。
 2013年に本書の初版を刊行し、2017年に改訂第2版を上梓してはや3年余が経過した。この度の増補版では、救急医療を取り巻くこうした時代の変遷に対応した用語も含め、300余語を追加した。救急医療に携わる医療従事者をはじめ、これから活躍するであろう学生諸氏にとって本書が微力ながらも実務と勉学の一助になればと願っている。
 この度の刊行にあたり、新規項目の執筆に新たに加わって頂いた先生方には、御多忙の中、御自身の経験や知識に基づきながら助言・執筆頂いたことに深く感謝申し上げる。救急医療を究めていく読者の机上の書として、今後とも広く愛読されることを願っている。
 2020年10月吉日
坂本哲也、畑中哲生

標準 多数傷病者対応MCLSテキスト 補完版

個数:
標準 多数傷病者対応MCLSテキスト 補完版
大量殺傷型テロ対応編

[ 監 修 ] 一般社団法人日本災害医学会
[ 編 集 ] 大友康裕/本間正人
[ 発行年 ] 2020年3月1日
[ 分 類 ] 救急医学
[ 仕 様 ] A5判 本文86頁
[ 定 価 ] 1,650円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-60-4
[ 主な内容 ]
●MCLS大量殺傷型テロ病院対応コースのテキスト刊行。
●MCLSテキストの補完版。
●標準コース、CBRNEコースに加え本書を学ぶことで多数傷病者対応の標準化が図れる。


監修のことば

 一般社団法人日本災害医学会では、消防・警察職員を対象に、多数傷病者対応に関する医療対応の標準化トレーニングコースとしてMCLS(Mass Casualty Life Support)コースを開発し、2011年8月より正式コースを開催しました。現在では、年間200を超えるMCLSコースが全国各地で開催され、学会が認定する資格者数もプロバイダー26,961名、インストラクター3,088名(2019年10月30日現在)に上っております。また世界各地で多数発生しているテロを鑑み、MCLSコースで学ぶ通常災害対応の知識・能力に上乗せして特殊災害・テロに対応するためのMCLS-CBRNEコースを開発し、2015年6月より正式コースを開催し、そのテキスト(MCLS-CBRNEテキスト)を2017年2月に発刊しております。
 一方、世界的にテロに用いられる手段をみると、圧倒的に爆弾が多く、次に銃乱射です。このことから、日本災害医学会では爆傷・銃創傷病者に対する病院前での医療対応に特化した「MCLS大量殺傷型テロ対応セミナー」を開発し、2017年6月から開催しております。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を間近に控え、病院での受け入れを中心とした「MCLS大量殺傷型テロ病院対応コース」を2018年8月から開催して参りました。
 これまでのMCLSの各コースおよびセミナーは、病院前の多職種連携を主眼として展開してきており、病院での受け入れに焦点を当てたこのコースは、MCLSとしては初めてであることから、その受講生のためにコースの内容を整理し、「標準 多数傷病者対応MLCSテキスト補完版 大量殺傷型テロ対応編」として上梓するものです。本書はコース受講生のみならず、東京オリンピック・パラリンピックへ向けて、院内体制整備に携わる病院関係者の方々にも読んで頂くことを期待しています。

 令和2年2月吉日
 日本災害医学会 代表理事
         大友  康裕


序文

 2020年7月には東京オリンピック・パラリンピック大会が開催され、万全の態勢で臨む必要があります。
 一般社団法人日本災害医学会では多数傷病者への対応標準化トレーニングコースMCLS(Mass Casualty Life Support)を提供し、同時に講義の内容に即した副読本を出版してきました。今回、「大量殺傷型テロ対応セミナー」と「大量殺傷型テロ対応病院内コース」に対し、本テキストを提供することができました。
 大量殺傷型テロ対応では、これまで提供してきた標準コースやCBRNEコースと考え方やアプローチを変える必要があります。対象者の多くが穿通性外傷を有しており、迅速な蘇生的外科処置が必要です。一方、2次被害の防止を念頭においた対応が求められます。既に学んだ標準コース、CBRNEコースの内容に本書の知識を付け加えることにより多数傷病者への対応標準化の目的を達することができると考え、タイトルに「補完版」を加えています。
 本書の内容は、これまでの書籍からは入手し難いような内容が含まれています。できるだけわかりやすく執筆して頂きました。多くの方々に手に取ってお読み頂くことを祈願しております。
 最後に担当された先生方と編集担当者には心より感謝申し上げます。

 令和2年2月吉日
 本間 正人



目次


1.大量殺傷型テロ対応の重要概念


Ⅰ わが国のテロ発生の危険性
Ⅱ イベントやスポーツ競技とテロ
Ⅲ 世界のテロの発生状況
Ⅳ テロの種別
Ⅴ MCLSを爆傷・銃創に応用すると
          いくつかの不都合が出てきた

2.大量殺傷型テロの基礎知識


1 爆 傷

  Ⅰ 爆傷と損傷機序
  Ⅱ 爆発の特徴
  ■コラム1 爆発による人体への作用
  Ⅲ 爆発物
  ■コラム2 火薬と爆薬
  ■コラム3 代表的な火薬類

  Ⅳ 受傷部位による損傷形態

2 刺創・銃創

  Ⅰ 鋭的損傷:エネルギーによる分類
  Ⅱ 銃弾のエネルギーと組織への損傷
  Ⅲ Cavitation(空洞化)について
  Ⅳ 診療手順
  Ⅴ 損傷の評価
  Ⅵ 銃創に対する保存的治療
  Ⅶ 銃弾の扱い
  Ⅷ 抗生剤投与

3 海外での取り組み(Hartford Consensusを含む)

  Ⅰ 米国における事態対処医療の歴史的経過
  Ⅱ 事態対処医療TEMSと戦術的戦傷救護TCCC
  Ⅲ ハートフォードコンセンサスとは
  Ⅳ 銃乱射・大量殺傷型事件で身を守るべき行動


3.大量殺傷型テロに対する手技


1 ターニケットの使い方・外し方

  Ⅰ ターニケット使用の意義
  Ⅱ ターニケットの種類
  Ⅲ ターニケットの使い方
   1・適応になる出血部位
   2・適応のタイミング
   3・注意点
   4・ターニケット装着の方法
   5・CAT〇(R)以外のターニケットの特徴
  Ⅳ ターニケットの外し方
  Ⅴ ターニケットの合併症
  Ⅵ ターニケットのエビデンスレベル
  Ⅶ ターニケット使用の法的根拠

2 SALT(トリアージ)

  Ⅰ SALTトリアージとは
  Ⅱ ステップ1 Global Sorting(集団分類)
   1・Action1
   2・Action2
   3・結果
  Ⅲ ステップ2 Individual Assessment(個別評価)
   1・緊急救命処置(LSI)
   2・Assess(評価)
  ■コラム4 エクスペクタント





4.爆傷外傷各論


Ⅰ 爆傷肺(Blast lung injury)
Ⅱ 腹部外傷
Ⅲ 聴覚器障害
Ⅳ 四肢外傷
Ⅴ 眼外傷
Ⅵ 脳損傷
Ⅶ 空気塞栓

5.病院での対応のポイント


Ⅰ 準備

  1・災害が発生する前
  2・災害が発生した後

Ⅱ 初期対応
Ⅲ その他の対応

  1・サージに備える
  2・『リバーストリアージ』を意識した対応
  3・早期に来院した傷病者への対応
  4・手術室の運営
  5・多数輸血への対応
  6・軽症者および帰宅者への対応

Ⅳ 地域での防災・搬送計画
Ⅴ 化学テロへの対応
● 参考文献

6.事例紹介


Ⅰ 過去の爆発物テロ事例の実際と教訓

  事例1・マドリード多発列車爆破テロ
  事例2・ボストンマラソン爆弾テロ
  ■コラム5 ボストンマラソンの体制
  ■コラム6 イスラエルの対テロ現場トリアージ

ER外国人診療ポケットマニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
ER外国人診療ポケットマニュアル

[ 監 修 ] 大友 康裕
[ 編 集 ] 二見 茜/森下 幸治
[ 発行年 ] 2020年1月20日
[ 分 類 ] 救急医学・病院管理学
[ 仕 様 ] B6判 本文213頁
[ 定 価 ] 2,420円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-58-1
[ 主な内容 ]
●医療機関が外国人患者の受け入れ体制を整備する際に必要な知識や情報、体制整備のポイントをまとめた。
●外国人患者が円滑に安心して医療を受けられるよう、またスタッフが外国人患者へ安全に医療を提供し、院内の医療安全を担保、スタッフをトラブルから守るためのノウハウを惜しみなく公開。
●医師や医療専門職だけでなく、事務部門も含む、すべての人にとっての必読書!


監修のことば

 訪日外国人旅行者や在留外国人の急激な増加を背景として、医療機関を受診する外国人患者が急増している。こうした現状から、国内の病院における外国人患者の受け入れ体制の整備が急務となっているが、多くの病院から「具体的にどのように体制整備をすべきか?」「トラブルを防止するためにはどのような点に注意すべきか?」といった声をよく耳にする。
 私ども東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センターでも、外国人救急患者数が急速に増加している。特に、「断らない救急」を日々実践していると、外国人患者の対応は、避けては通れない課題となる。言語・コミュニケーションの問題、異文化、他宗教への理解と配慮、金銭的トラブル・病院の未収金問題、本国での治療を希望する患者の帰国搬送等々、日本人患者への診療とはまったく異なる対応が求められる。
 当院では、2018年4月より、「国際医療部」が設置され、外国人診療の際に求められる特別な諸対応を一手に引き受けて頂いている。その結果、外国人診療にかかわる医療スタッフの負担が大幅に軽減されるとともに、未収金が、(私の記憶では)数千万円/年間であったものが、外国人患者数が2.8倍になったにもかかわらずほぼ0円/年間まで減少している(2018年度)。国際医療部の人件費を大幅に上回る金額である。
 この度、当院でのノウハウをもとに、専門家の協力を得て、医療機関が外国人患者の受け入れ体制を整備する際に必要な知識や情報、体制整備のポイントをまとめたマニュアルを作成した。外国人患者に対する円滑な診療を実現するために、是非、本マニュアルをご活用頂ければ幸いである。
 2020年1月吉日
              大友 康裕

序文

 日本で暮らす外国にルーツをもつ人や訪日外国人旅行者が増加し、日本の医療機関を受診する外国人患者が増加している。多くの医療機関の職員たちは、外国人患者が受診することで、これまで習ったことのない、「言葉の壁」や「文化・習慣の違い」にどう対応すべきか悩み、試行錯誤をしながら対応していると思われる。
 観光庁によると、2018年の訪日外国人旅行者数は、3,119万2,000人であった。また、2019年6月末時点での外国籍住民数は282万9,416人となり、日本の総人口に占める外国籍住民の割合は2%を超えた。そして、東京や大阪などの大都市だけでなく、全国の医療機関で外国人患者の受診が増加している中で、“対応方法を教えてほしい” “困っている”との相談が増えている。
 東京医科歯科大学医学部附属病院は、2018年4月に国際医療部を開設して以来、外国人患者が円滑に安心して医療を受けられるためのサポートと、スタッフが安全に医療を提供するためのサポートをすることで、医師や看護師、事務職員がそれぞれの業務に専念できる体制整備にさまざまな診療科と連携し、取り組んできた。
 外国人患者も医師法の応召義務の対象となるため、病院は「外国人だから」「言葉が通じないから」という理由で診療を断ることはできない。外国人患者の受け入れ体制整備を推進することは、外国人患者へのサービス向上だけでなく、院内の医療安全の担保、ひいてはスタッフをトラブルから守るという視点からも重要である。
 本書では、東京医科歯科大学医学部附属病院の外国人患者受け入れ体制整備のノウハウを惜しみなく公開している。執筆者は当院のスタッフのほか、法律、感染症、医療搬送などのさまざまなバックグラウンドをもつ専門家の先生方に参画頂いた。この場を借りて御礼申し上げます。
 本書が、医師や医療専門職だけでなく、事務部門なども含む、医療にかかわるすべての人にとって必読書となることを願ってやまない。
 2020年1月吉日
              二見 茜
              森下幸治


目次


第Ⅰ章 受付での対応


1・受付時に確認しておかなければならないこと

  1.言語の確認
  2.来院目的の確認
  3.患者情報の確認
  4.医療費の支払いに関する確認

2・本人確認の方法

  1.パスポートはここを確認
   ①氏名
   ②有効期限
   ③入国記録
  2.在留カードはここを確認
  3.在留資格が切れている場合の通報義務

3・未収金トリアージ

  1.救急病院の未収率は19.8%
  2.未収金トリアージ
   ①(緑)日本の健康保険証を持っている:低リスク
   ②(青)在留資格(ビザ)が切れている、または、
       入院中に切れてしまう:特別な配慮が必要
   ③旅行保険に加入している、もしくは、クレジット
      カードを持っている→黄色(準緊急):外来、
                  赤(緊急):入院
   ④旅行保険加入もクレジットカードもない場合は
                    超緊急(黒)
  3.努力をしたにもかかわらず未収金が発生して
                   しまった場合
  4.未収金予防策

4・会計の手続きについて(入院・外来)

  1.救急外来
   ①料金表の作成
  2.入院
   ①概算を伝える
   ②概算金額を保証金として預かる
   ③海外送金するときにはSWIFTコードが必要
   ④現金以外の支払い方法にも対応
   ⑤海外旅行保険
   ⑥健康保険証を持っていない患者の診療報酬に
                      ついて
   ⑦英文の請求書・領収書を用意しておこう

5・海外旅行保険への対応

  1.海外旅行保険で支払いが可能な事例
  2.海外旅行保険の手続き

6・用意しておくと便利なもの

  1.外国人患者受け入れの準備のとき
   ①医療通訳サービス
   ②英文診断書簡易版
   ③電子辞書
   ④研究の同意書
   ⑤治療を中断するときの同意書
   ⑥単位換算表
  2.受付・会計時に役立つもの
  3.ピクトグラムの活用
   ①院内表示や掲示物
   ②トイレの使用について
   ③注射針をゴミ箱に捨てないで
   ④ポケットWifi
   ⑤アスリートでも使用可能な大型車いす、
                  ストレッチャー
  4.外国人患者の受け入れ可能な医療機関
  5.メールアドレス


第Ⅱ章 コミュニケーション


1・医療通訳(対面通訳、電話・ビデオ通訳、機械通訳)

  1.言葉の壁を解消するために
   ①本当はわかっていない?
   ②家族や知人の通訳は本当に大丈夫?
   ③子どもに通訳をさせてはいけない
  2.医療通訳サービスを使うときに
                知っておきたいこと
   ①時間がかかる
   ②医療通訳の規約の作成
   ③やさしい日本語を使う
  3.通訳の種類
   ①対面通訳
   ②電話通訳
   ③ビデオ通訳(タブレット端末)
   ④機械通訳
  4.個人情報の取り扱い
  5.料金について

2・多文化・宗教への対応

  1.多文化対応能力(Cultural Competency)
   ①食事や薬はアレルギーと同様の対応を
   ②患者に訊くことが大切
   ③ベジタリアンもいろいろ
  2.イスラム教について
   ①知らなかったでは済まされない!
   ②女性の医師を希望するときの対応
  3.緊急時の対応

3・クレームへの対応

  1.トラブル・クレーム対応のポイント
  2.暴力や暴言があったときの対応
   ①まず身の安全を守ること
   ②必ず複数のスタッフで対応する
   ③かかわったスタッフの心のケア
   ④録音や録画の準備をしておく
   ⑤大事な話をしているときに笑うことは失礼

4・外国人と応召義務

  1.不法行為責任とは
  2.正当な事由の必要性


第Ⅲ章 感染症への対応


1・輸入感染症診断のためのアプローチ

  1.渡航歴のある患者へのアプローチ
   ①渡航地
   ②潜伏期
   ③曝露歴
  2.警戒すべき輸入感染症
  3.身体所見や血液検査からの鑑別法
  4.重症度の高い疾患、治療可能な疾患、
                   頻度の高い疾患

2・症候別に求められる感染管理対策とは?

  1.感染管理対策とは
  2.症候別鑑別とその対策

3・旅行者下痢症の診断と治療での注意点は?

  1.旅行者下痢症の疫学
  2.治療法

4・蚊媒介感染症の診断と治療は? 

  1.マラリア
  2.デング熱
  3.チクングニア熱
  4.ジカウイルス感染症

5・新興再興感染症疑いの患者への対応は? 

  1.新興再興感染症とは
  2.ウイルス性出血熱
  3.鳥インフルエンザおよび中東呼吸器症候群(MERS)

6・感染症の患者・同行者を帰宅させる場合の注意点とは?

  1.感染対策の説明
  2.医療機関受診に際しての注意点
  3.患者と同行者の個人情報の把握

7・院外機関との連携とは?

  1.感染症患者搬送に関する対策(連携先:保健所、
                    検疫所、消防)
  2.課題を防ぐ取り組み(連携先:地域行政、
                 旅行/船舶代理店など)
  3.サポート部門の存在(連携先:地域行政、
                    民間企業など)

8・入院前に感染症スクリーニングを考慮しなければ
                 ならない状況とは?

  1.薬剤耐性菌保有リスクの評価
           (特に、海外医療機関での入院歴)
  2.個室隔離と接触予防策
  3.感染管理チームへの相談、スクリーニング検体の
                        採取

9・予防接種の種類と接種率

  1.ルーチンワクチン
   ①麻疹・風疹
   ②水痘
   ③ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
   ④B型肝炎
   ⑤日本脳炎
  2.トラベラーズワクチン
   ①A型肝炎
   ②狂犬病
   ③髄膜炎菌
   ④黄熱病
   ⑤腸チフス
   ⑥ダニ脳炎
  3.病歴確認に際しての注意点





第Ⅳ章 救急外来診療


1・問診・フィジカルアセスメントのコツ 

  1.問診のコツ
   ①問診時の基本
   ②留意すべき点
  2.フィジカルアセスメントのコツ

2・熱中症で来たら? 

  1.救急外来における診療の実際
  2.重症度の評価と治療

3・アナフィラキシーショックで来たら? 

  1.アナフィラキシーショックへの対応
  2.外国人患者の特徴・課題

4・急性薬物中毒を疑ったら?

  1.診察
  2.簡易検査
  3.治療
  4.届出義務

5・アルコール使用障害患者への対応は?

  1.急性期治療
  2. 二次・三次予防
   ①自覚を促すためにパンフレットを利用する
   ②AAの連絡先を案内する
   ③専門医療機関に相談する
   ④近親者に対して自助グループを案内する

6・メンタル不調患者への対応は? 

  1.帰宅できると考えられる場合
   ①できるだけ海外で使用されている薬剤を処方する
   ②薬剤の英語説明文を用いて説明する
   ③外国人対応ができる精神科や相談先を紹介する
  2.入院が必要と考えられる場合
   ①当該病院の精神科に入院する
   ②精神科病院に転院する
   ③帰国搬送のため海外対応の民間会社を利用する

7・暴力への対応は?

  1.リスクの把握
  2.現場での対応
  3.普段からの対策を!
   ①計画
   ②トレーニング
   ③安全な環境
   ④怒らせるフレーズ、落ち着かせるためフレーズ

8・外来から帰国許可できない患者が自己判断で帰国する
                    場合の対応は? 

  1.療養指導義務の履行について
  2.診断書作成についての注意点
  3.帰国、飛行機搭乗困難な患者への対応

9・心肺停止症例への対応は?

  1.心肺停止の診療
  2.リビングウィル
  3.蘇生後
  4.安楽死

10・外来で亡くなったときの対応は?

  1.訪日外国人の死亡対応
  2.日本に在住の外国人が死亡した場合

11・外傷での注意点は?

  1.受傷機転
   ①交通事故の場合
   ②その他の原因で怪我した場合
  2.海外旅行保険の加入の有無の確認
   ①海外旅行保険に加入している場合
   ②海外旅行保険に未加入で支払いが必要な場合
  3.診断書の作成
  4.外傷後のフォローアップ
  5.帰宅後の注意プリント

12・緊急手術での注意点と工夫は?

  1.手術の回避について
  2.手術同意について
  3.周術期管理について

13・緊急麻酔での注意点は?

  1.診察前の情報収集
  2.術前診察
   ①術前診察の前に
   ②本人確認と術前診察
   ③麻酔に関する同意取得
   ④麻酔管理
   ⑤術後管理

14・治療に伴う合併症が発生したときは?

  1.医療行為実施前にしておきたいこと
   ①自施設の外国人患者診療実績の把握
   ②自施設で活用できる通訳体制の整備について知る
   ③外国人患者のインフォームド・コンセント(IC)
  2.合併症が発生したら

15・災害時の対応と注意点は?

  1.ひと昔前の外国人のイメージは“否”
  2.日本にいる外国人を一括りに捉えない
  3.近隣に住む定住外国人の協力者を探す

16・災害時の患者受け入れや転院搬送、トリアージは?

  1.災害医療における外国人旅行者の扱い
  2.病院での受け入れ
   ①準備
   ②受け入れと診療
  3.トリアージでの問題点
   ①一次トリアージSTART法
   ②二次トリアージPAT法
   ③トリアージタッグ
  4.文化の違いによる対応上の注意点
  5.コミュニケーションボード(多言語情報シート)
                       の活用
  6.災害時診療に関しての費用負担
  7.転院搬送
  8.帰宅困難者への対応
  9.災害に対応する各機関の多言語への対応
  10.訓練の提案


第Ⅴ章 緊急帰国搬送


1・日本インバウンドの搬送

  1.日本人の帰国搬送について
   ①搬送理由
   ②搬送方法
   ③特徴
  2.外国人の日本への緊急医療搬送について
   ①搬送理由
   ②特徴
   ③受け入れ時に必要な情報

2・外国人患者の帰国搬送

  1.帰国先医療機関調整
  2.飛行機搭乗時に考慮すべき要素
  3.飛行機に搭乗可能か判断するポイント
   ①一般旅客としての搭乗
   ②車いすや酸素などを利用したり、医療者
        付き添いのうえで定期便に着座で搭乗
   ③ストレッチャー搬送

3・医療専用機搬送

  1.機材
  2.適応
  3.AAでできる治療
  4.医療チーム編成
  5.ミッションまでの流れとその限界
  6.日本発AA

4・搬送に必要な書類の書き方

  1.英文診療情報提供書
  2.Medical Information Form(MEDIF)
  3.搭乗許可証(意見書)


第Ⅵ章 薬を処方するときに知っておきたいこと


1.海外医薬品の確認
2.言葉が通じない患者への服薬指導
3.出国する際に必要な添付文書
4.宗教上配慮が必要な薬があるとき

  ①宗教上の禁忌薬剤への対応

5.ドーピング

第Ⅶ章 便利帳


1.医療通訳(電話・ビデオ)
2.医療通訳(派遣)
3.外国人患者受け入れ医療機関
4.各種相談
5.多言語問診票、各種書類
6.外国人のための情報サイト
7.感染症対策
8.薬関係
9.難民支援
標準多数傷病者対応MCLSテキスト 増補

個数:
標準多数傷病者対応MCLSテキスト
増補

[ 監 修 ] 一般社団法人日本災害医学会
[ 編 集 ] 大友 康裕
[ 発行年 ] 2020年1月10日
[ 分 類 ] 救急医学
[ 仕 様 ] A4判 本文84頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-12-3
[ 主な内容 ]
●MCLSテキスト増補版。
●多数傷病者現場医療の対応の要点を一部修正・追加しわかりやすく解説。

コース主催者からの一括注文の場合は、1冊税込み2,000円とさせて頂きます。弊社ホームページからお申込みの際は、備考欄に「コース主催者」と御記入下さい。


増補にあたって

 日本災害医学会では、消防・警察職員を対象に、多数傷病者対応に関する医療対応の標準化トレーニングコースとしてMCLS(Mass Casualty Life Support)コースを開発し、2011年8月より正式コースを開催してきました。現在、本学会では年間200を超えるコースが開催され、学会が認定する資格者数もプロバイダー26,961名、インストラクター3,088名(2019年10月30日現在)に上っております。
 本コースの全国的な広がりに伴い、本テキストは2014年5月に上梓しましたが、5年が経過した今、多数傷病者対応における考え方に多少の変化が出てきたことを踏まえ、この度、内容を一部修正・追加し、増補版を刊行しました。本書はMCLSコース受講生のみならず、多数傷病者対応に興味をもつ方にも読んで頂くことを期待しています。
 令和元年12月吉日
 日本災害医学会 代表理事 大友 康裕

序文

 大規模事故災害など多数傷病者発生時には、災害現場で消防、警察およびDMATなどの医療チームが活動する。これらの各組織が緊急参集し、円滑に連携する必要がある。災害現場医療活動に関する標準的研修として、DMATに対する隊員養成研修会が厚生労働省や東京都・大阪府などから提供されている。一方、消防職員や警察職員は、職務としての災害現場活動は訓練を受けているものの、彼らを対象とした災害現場医療に関する研修は存在しない。災害現場では、消防・警察などの緊急対応機関とDMATが有機的に連携して活動することが求められる。このため日本集団災害医学会は、消防・警察職員を対象として、多数傷病者対応に関する医療対応の標準化トレーニングコースとしてMCLS(Mass Casualty Life Support)コースを開発し、平成23年8月より正式コースを開催している。幸い全国の消防職員等から高い評価が得られ、急速に全国でコース開催が広まっている。平成26年3月時点で、コース修了者5,105名、インストラクター1,286名(うち 世話人300名)に登っており、現在も毎月10回以上のコースが開催されている。
 コースの全国的な広まりに伴って、コースを開催している皆様から、MCLSの受講生のためのテキストが是非とも必要との意見が多数寄せられるようになった。これを受けて日本集団災害医学会MCLS運営委員会委員を中心として本書を執筆・編集した。詳細な記述を一切省略し、多数傷病者現場医療対応の要点が伝わることに重きを置いて編集している。本書はMCLS受講生のみならず、広く多数傷病者対応に興味をもつ方にも読んで頂くことを期待し、ここに上梓するものである。
              大友 康裕


目次


1 多数傷病者事故における災害現場医療対応の原則


1. 多数傷病者事故とは
2. 通常の救急対応と災害対応の違い
3. 災害に対する体系的な対応

  1) C(Command & Control):指揮命令系統の確立
                      /連絡調整
  2) S(Safety):安全確保
  3) C(Communication):情報伝達
  4) A(Assessment):評価
  5) 災害現場の医療


2 最先着隊の活動


1. 災害モードへの切り替え【スイッチを入れる】

  ・ダイヤモンドの5分

2. 指揮命令/連絡調整【C】
3. 安全確保【S】

  1) 自分(Self)の安全
  2) 現場(Scene)の安全
  3) 傷病者(Survivor)の安全

4. 情報収集・伝達【C】
5. 評価【A】

  1) 報告【A】
  2) 応援要請【A】
  3) 場所とり【A】


3 災害現場管理


1. 警防本部(指令センター)における活動体制

  1) 災害発生時への適応(切り替え)基準
  2) 警防本部の任務
  3) 部隊運用

2. 現場指揮本部における活動

  1) 設置
  2) 編成
  3) 任務

3. 区域設定

  1) 現場活動に必要な区域(「警戒区域」
           「消防活動区域・危険区域」)の設定
  2) 災害活動区域内における傷病者の動線の確立

4. 傷病者救護部門の管理

  1) 傷病者集積場所(一時救出場所)
  2) トリアージポスト(搬入エリア)
  3) 現場救護所
  4) 軽症者の扱い
  5) 遺体安置所
  6) 救急車・搬送車両の運用
  7) 無傷被災者の管理


4 災害現場の医療(トリアージ)


1. トリアージ区分
2. トリアージの方法

  1) START法
  2) PAT法

3. トリアージタグ
4. トリアージの法的倫理的問題

  ・トリアージ「黒」について
  ・小児のトリアージ


5 災害現場の医療(トリアージタグの記載)


1. トリアージチーム
2. タグ記載上の注意事項
3. タグの記載内容の変更

  1) 訂正・追記
  2) 重症化
  3) 軽症化

4. 具体的な記載手順

  1) 事前記載(現場到着前)
  2) 傷病者集積場所での記載
  3) 現場救護所搬入時や医療処置がなされた場合の
                       追加記載
  4) 現場救護所搬出時の記載





6 災害現場の医療(治療)


1. 現場治療=安定化治療(処置)

  1) なぜ現場治療が必要なのか?
  2) 病院での医療と災害現場での医療の違い
  3) 対応手順

2. パッケージング:救護所から病院へ迅速に搬送できる準備

  1) パッケージングに意義
  2) パッケージングの進め方
  3) 患者移動手段

3. その他の注意事項

  1) 持続的モニタリングが困難なので、
              繰り返し傷病者の様子を観察
  2) 先読みして物品の確保
  3) 現場処理内容の記録
  4) 優先すべきは最大多数への治療

4. まとめ

7 災害現場の医療(搬送)


1. 搬送トリアージ
2. 搬送順位を決定するさまざまな因子

  1) 患者の病態
  2) 搬送先選定
  3) 分散搬送
  4) 時間ごとの変化を考慮
  5) 搬送手段(車両、ヘリ)・道路事情
  6) 機材消費の負担

3. 情報管理
4. まとめ

8 応援要請


1. 消防本部の相互応援要請

  1) 近隣消防本部、都道府県レベルでの応援協定
  2) 緊急消防援助隊

2. ドクターカー・ドクターヘリの出動要請

  1) ドクターカー
  2) ドクターヘリ

3. DMAT派遣要請

  1) DMATとは
  2) 地域災害におけるDMAT活動
  3) DMAT派遣要請
  4) DMAT投入の原則


9 災害現場特殊治療


1. 瓦礫の下の医療(CSM)

  1) Confined Spaceと活動の特異性
  ・医療チーム投入の優先順位
  2) 安全確保
  3) CSMでみられる病態
  4) 救助隊員が現場で行う活動
  5) 医療チームが行う医療処置
  6) 消防と医療の連携
  7) 救助者のストレス
  8) まとめ

2. 圧挫症候群

  1) 病態
  2) 診断
  3) 消防と医療の連携
  4) 治療
  5) 広域医療搬送
  6) まとめ

3. 現場四肢切断

  1) 切断の決断
  2) まとめ


MCLS-CBRNEテキスト―CBRNE現場初期対応の考え方―改訂第2版

個数:
MCLS-CBRNEテキスト
―CBRNE現場初期対応の考え方―
改訂第2版

[ 監 修 ] 一般社団法人日本災害医学会
[ 編 集 ] 大友 康裕
[ 発行年 ] 2020年1月10日
[ 分 類 ] 救急医学
[ 仕 様 ] A4判 本文103頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-56-7
[ 主な内容 ]
●MCLS-CBRNEコーステキストを大幅に変更した改訂第2版。
●CBRNE災害での現場活動の要点をわかりやすく解説。
●災害現場で活動する消防、警察職員必携の書。


改訂第2版に寄せて

 2020年オリンピック・パラリンピック開催を間近に控え、テロへの医療対応体制の確立は喫緊の課題となっている。
 日本災害医学会では、MCLSの概念・手法を発展させ、CBRNE災害に特化したコース(MCLS-CBRNEコース)を厚生労働省科学「CBRNE事態における公衆衛生対応に関する研究」において開発し、全国でコース開催を行う中で、MCLS-CBRNEコーステキストとして本書を2017年2月に上梓した。その後、厚生労働科学研究(小井土研究班阿南分担研究)において、特殊災害・テロの現場における除染の考え方が大幅に変更となり、また早期避難誘導の重要性の認識が高まったことを受けて、MCLS-CBRNEコースの内容を大幅に変更した。本書は、改訂されたコースのためのテキストとして改訂したものである。
 本書が初版同様、CBRNE災害・テロ対応の医療体制の向上に理解を深め、また、多機関連携がより密になるよう学んで頂くことを期待している。
 令和元年12月吉日
 日本災害医学会 代表理事 大友 康裕

初版 発刊にあたって

 国際的緊張の高まりやイスラム過激派の活動などにより、海外ではテロが頻発している。わが国でも、国際的会議が頻回に実施され、さらに2020年オリンピック・パラリンピック開催などから、CBRNEテロ発生の蓋然性は決して低くない。こういった状況から、テロへの医療対応体制を確立することは喫緊の課題となっている。
 CBRNEテロ・災害では、通常の大規模交通事故による多数傷病者事案や地震などの自然災害とは異なる対応が求められる。消防、警察機関などの関係機関は特殊な検知・防護設備を用いた部隊を展開し、防護、除染、ゾーニングなどの現場対応を実施する。よって、CBRNE災害での現場活動の注意事項や多数の関係機関がどのような考えと方針に基づいて活動するのかを知ることは、良好な連携のために非常に重要である。通常、訓練を通して連携を深めるが、頻繁にCBRNE災害に関する実動訓練で実施することは困難である。そこで、幅広く関係機関が机上でシミュレーション演習をするMCLSの概念・手法を発展させ、CBRNE災害に特化したコースを厚生労働省科学「CBRNE事態における公衆衛生対応に関する研究」(以下、研究班)において開発した。試行コースでは、消防、警察、海上保安庁、自衛隊など関係する複数の機関から参加頂き、コースの内容に反映させた。なお、本コースはMCLSコースで学ぶ多数傷病者対応の概念をさらに発展させたものなので、MCLSのプロバイダーとしての知識・能力を土台として、その上乗せとして実施するものである。
 CBRNEとは、化学(chemical)・生物(biological)・放射性物質(radiological)・核物質(nuclear)・爆発物(explosive)を総称したもので、これらによって発生したテロ・災害をCBRNEテロ・災害と称する。従来、NBCという表記が使用されていたが、テロに用いられる手段として、爆発物が圧倒的に多いこと、および核爆発による被害と放射線性物質による被害を分けて論じるべきとのことから、CBRNE(またはCBERNと表記し、「シーバーン」と読む場合もある)が用いられるようになった。ただし、政府等の公的機関では、依然として「NBCテロ・災害」という文言を使い続けていることから、本テキストでは、公的文書・体制に関する表現では、「NBC」を用いることとする。
 平成29年2月吉日
              大友 康裕

初版 監修の序

 災害現場で1人でも多くの命を救うためには、消防・警察などの緊急対応機関とDMATなどの医療チームが有機的に連携して活動することが求められています。このため日本災害医学会(以下、学会)は、消防・警察職員を対象として、多数傷病者対応に関する医療対応の標準化トレーニングコースとしてMCLS(Mass Casualty Life Support)コースを開発し、2011年8月より正式コースを開催しております。幸い全国の消防職員等から高い評価が得られ、急速に全国でコース開催が広まりました。現在、年間200を超えるコースが開催され、学会が認定する資格者数もプロバイダー14,808名、インストラクター1,708名(2017年1月1日現在)に上っております。
 学会では2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、また世界各地で多数発生しているテロを鑑み、MCLSコースで学ぶ通常災害対応の知識・能力に上乗せして特殊災害・テロに対応するためのMCLS-CBRNEコースを開発し、2015年6月より正式コースを開催しています。本コースの全国的な広まりに伴って、コース受講者および受講予定者の皆様から、MCLS-CBRNEテキストが是非とも必要との意見が多数寄せられました。これを受けて日本災害医学会MCLS運営委員会MCLS-CBRNEコアメンバーを中心として本書を編集・執筆しました。専門的な内容は最小限とし、特殊災害・テロ初期対応の要点が伝わることに重きを置いて編集しております。本書はMCLS-CBRNEコース受講生のみならず、CBRNE災害・テロ対応に興味をもつ方にも広く購読して頂くことを期待し、ここに上梓するものであります。本書が個々のCBRNE災害・テロ対応能力の向上、そして多機関連携に益することを願っております。
 平成29年2月吉日
 日本災害医学会 代表理事 小井土 雄一


目次


1 MCLS-CBRNEの基本的コンセプト


1.わが国のCBRNE対応体制の課題

  1) CBRNE特殊災害に対する医療対応体制が、
       N・B・Cそれぞれ縦割り体制となっている
  2) テロ対応の初期には、テロと認識できない
                   ことの方が多い
  3) テロ対応は国民保護法に基づき、国が主体と
          なって対応するとなっているが……
  4) 消防による現場除染体制整備の結果および水除染
        神話によって搬送開始が大幅に遅延する
2.MCLS-CBRNEの基本的コンセプト
3.MCLS-CBRNE現場対応の全体的な流れ

2 MCLSコースの復習


1.MCLSコースのコンセプト

  1) MCLS標準コース学習目標
  2) MCLS標準コース受講対象

2.コース教授内容

  1) 多数傷病者事故における災害現場医療対応の原則
  2) 最先着隊の活動要領
  3) 災害現場のマネジメント
  4) 傷病者救護部門の管理


3 CBRNE災害共通の対応(All hazard対応)


1.特 徴
2.出動要請のいろいろ
3.どのようにしてCBRNE災害だと気づくか?
4.指揮命令系統の確立
5.安全の確保

  1) 救助者個人の安全;自分の安全
  2) 除染;傷病者、自分の安全
  3) 救助者の被ばく問題
  4) 検知
  5) エリア設定:ゾーニング;自分、現場の安全

6.現場活動のための資機材
7.初動時の活動指針

4 CBRNE災害現場活動


●1・避難・救助

  1.避難誘導
  2.救 助

●2・防 護

  1.防護の原則
  2.防護に必要な知識
    1) 給気式呼吸用保護具とろ過式呼吸用保護具
    2) 吸収缶
    3) 防護服
  3.防護具のレベル
    1) レベルA
    2) レベルB
    3) レベルC
    4) レベルD
    5) 通常の消防防火装備の応用
  4.ゾーニングと防護服

●3・検知・ゾーニング

  1.検 知
  2.ゾーニング

●4・除 染

  1.多数傷病者に対する除染
  2.より現実性を追求した除染方法の導入
    1) 脱衣
    2) 即時除染
    3) 放水除染
    4) 専門除染
  3.その他の除染法(RSDL)
  4.長時間の除染中に必要とされる医療行為
  5.放射線が検知された際の除染
  6.体内除染(放射性物質の場合)

●5・(除染後)トリアージ

  1.CBRNE災害におけるトリアージ(除染後)
    1) 自力歩行可能な傷病者に対し「CBRNEによる
         と考えられる症状」の有無を確認する
    2) 呼吸停止でも、化学剤でかつ呼吸停止から
      時間が経っていなければ、安易に黒としない
  2.除染後エリア(トリアージエリア・現地救護所)
                 の資器材・人員配置





5 CBRNE災害種別特性


●1・C(化学剤:chemical agents)

  1.化学剤の特性
  2.曝露された化学剤の特定方法
    1) 患者の症侯(症状)から推定する(トキシドローム)
    2) 機械的検知
    3) 定性と定量
    4) 検知方法
    5) その他の注意事項
  3.傷病者に対する治療
  4.各 論
    1) 神経剤
    2) びらん剤
    3) 血液剤
    4) 窒息剤
    5) 無力化剤
    6) 催涙剤
  5.重要事項

●2・B(生物剤:biological agents)

  1.生物剤の特性
  2.B災害・テロの特徴
    1) 原因物質について
    2) 発生様式(化学剤との比較)
    3) 検知について
    4) 散布方法
  3.生物剤の侵入経路および防護・予防方法
    1) 生物剤の侵入経路
    2) 病原体感染防護方法
    3) 発症防止方法
    4) CDCによる標準的感染制御法
  (Standard precautions for infection control)
  4.生物剤の除染
  5.生物剤曝露患者の医療対応
    1) 生物剤の推定
    2) 医療機関への搬送
    3) 未発症被害者への予防的治療
    4) 発症患者への治療
  6.生物剤各論
    1) 天然痘
    2) 炭疽菌
    3) ペスト
    4) 野兎病
    5) ボツリヌス毒素
    6) ウイルス性出血熱
    7) リシン
    8) ブドウ球菌エンテロトキシンB
    9) トリコセシン真菌毒素(T2)

●3・R(放射性物質:radiological)/N(核物質:nuclear)

  1.R/Nの特性(核・放射線災害はどこでも起こりうる)
  2.放射線基礎知識
    1) 放射線とは
    2) 放射線と放射能、放射性物質およびその単位
    3) 被ばくと汚染
    4) 放射線の測定
    5) 放射線の人体影響
    6) 放射線防護
  3.放射線災害への対応
    1) スイッチ&こりゃ変だ(事象の認知)
    2) 指揮
    3) 安全(検知、ゾーニング、3S&個人防護、除染、
                      トリアージ)
  4.まとめ

●4・E(爆発物:explosive)

  1.爆発の特性
  2.爆発のメカニズム
  3.爆発により生じる損傷
    1) 一次爆傷:爆発の衝撃により生じる損傷
    2) 二次爆傷:飛翔物により生じる損傷
    3) 三次爆傷:爆発により吹き飛ばされた結果により
                       生じる損傷
    4) 四次爆傷:一~三次爆傷以外の爆発に関連した損傷
  4.爆傷対応の留意点
    1) 救護者の安全
    2) START法でのトリアージ
    3) PAT法でのトリアージ
    4) 参考:その後の処置
  View point Advanced クライムシーン(事件現場)での活動
  Ⅰ・クライムシーン、特に重大事案における医療対応の概要
    1.事案運用について
    2.クライムシーンにおける医療・救護の3つのフェーズ
    3.事態対処医療現場での傷病者評価と処置
    4.クライムシーンでの医療対応の特異点について
  Ⅱ・クライムシーンがCBRNE現場であった場合の事態対処医療
    1.交戦中であれば、そのエリアは法執行機関に
                   委ねなければならない
    2.制圧を確認後または交戦/事態対処現場と一線を
      画したエリアで、関係機関はCBRNEの手順を開始する
    3.犯罪捜査の観点から現場の保全、証拠物質の確保、
                現場にいた人のID確認が必要

Active POT指導マニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
Active POT指導マニュアル

[  著  ] 南 浩一郎
[ 発行年 ] 2019年6月10日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・84頁
[ 定 価 ] 3,520円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-52-9
[ 主な内容 ]
●傷病者観察のトレーニングに最適!!
●POTシリーズマニュアルを発展的に救急活動へリンクするシミュレーションを提案。
●少人数(Small group)、自動評価(Auto evaluation)、自己学習(Self education)で、短時間で効率よい現場活動訓練が可能。


はじめに

 救急活動においては観察、病態の判断、報告が一連の動きとして活動することが必要である。しかし、今までの救命士教育のシミュレーションでも特定行為などの操法の徹底に重点が置かれており、観察、診断、報告に対する有効なシミュレーション教育は存在しなかった。
 そこで救急救命東京研修所の南らが中心となり開発された、限定された種類の疾患で構成されるシナリオを使用した救命士とfacilitator(ファシリテーター)との間で行われる双方向性のシミュレーションPOTを開発した。これらは疾患ごとに理学所見に関するテーマが設定されており、シミュレーターによる病態把握を目的としたシミュレーション→把握した病態のプレゼンテーション→ディスカッション→講義という一連のフローによって参加者自身に気づきを与え、短時間の講習でテーマの重要性が認識できる構成になっているシミュレーションであった。例えば、テーマを「呼吸音」とし、呼吸音に特徴的な所見を呈する疾患3症例のシミュレーション 3想定・所見付与 POTでは、想定・所見付与を言葉では一切与えず、音声・画像・イラスト・動画で提供する。救急救命士は初期観察、全身観察によって自ら理学所見を求め、想定・所見付与の意味を自ら判断して症例の病態を把握する。その後、これらの所見から傷病者の病態を把握することになる。POTはこのとおり思考訓練が中心であり、実際の現場活動とよりリンクした形のシミュレーションが望まれていた。
 POTは開発から5年以上経過し、今では多くの救命士が経験して、疾患の病態について理解が深まってきている。今回、これらのPOTの成果を発展的に救急活動へ応用するシミュレーションActive POTを提案することにした。これは、POTで用いている画像、音響資料とバイタル変化やBLSの測定装置を搭載したシミュレーター(高研のセーブマンプロやレールダルメディカルジャパンのALSシミュレーター)での現場活動を20分で行い、これをビデオで撮影して評価する新たなシミュレーション教育である。
 このActive POT マニュアルは、これらのシミュレーションをSAS(少人数Small group、自動評価Auto evaluation、自己学習Self education)で行うためのマニュアルである。このマニュアルを使用することで、短時間で効率よい現場活動訓練が可能になると思われる。また、シミュレーション時の学習に役立つようにMemoのスペースをとってあり、ノート機能も付加している。これを用いて、指導救命士による現場での教育や救急救命士自身の効率のよい自己学習が行われることを希望するものである。
 本書の作成にあたり、高研、レールダルメディカルジャパンの高橋氏、ぱーそん書房の山本氏には多大なご指導を頂きました。ここに深く感謝申し上げます。
 令和元年6月吉日
              南 浩一郎


目次


01 心筋梗塞(左冠状動脈) [POT症例5]
02 くも膜下出血 [POT症例9]
03 窒息 [POT症例16]
04 喘息 [POT症例13]
05 敗血症 [POT症例28]
06 低血糖 [POT症例25]
07 心不全(左心不全) [POT症例29]
08 出血性ショック [POT症例20]
09 脳出血 [POT症例10]
10 熱中症 [POT症例36]






11 糖尿病性ケトアシドーシス [POT症例23]
12 髄膜炎 [POT症例8]
13 腎不全 [POT症例31]
14 心筋梗塞(右冠状動脈) [POT症例4]
15 急性消化管虚血 [POT症例21]
16 高血糖 [POT症例24]
17 緊張性気胸 [POT症例17]
18 急性膵炎(敗血症) [POT症例22]
19 自然気胸 [POT症例15]
20 肺血栓塞栓症 [POT症例19]


やさしく学ぶ応急手当 止血の方法

個数:
やさしく学ぶ応急手当
止血の方法 第1版第2刷

[ 監 修 ]  山本 保博
[  著  ]  尾方 純一 小井土 雄一 根本 学 畑中 哲生
[ 発行年 ] 2024年6月1日
[ 分 類 ]  救命・救急医学
[ 仕 様 ]  A5判・103頁
[ 定 価 ] 1,650円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-87-1
[ 主な内容 ]
●消防団員のための、止血のマニュアル本がここに!
●簡潔な文章で、図や写真を多数掲載。
●いざというときに惑わないための、現場で役立つ必携書!


監修の言葉

 地域における安全・安心の先兵として活躍しておられる消防団員は、少子・高齢化時代に伴い、平成元年頃から、1万人を割り込み、現在は86万人程度になっています。
 彼らの年齢構成比の推移をみると20~29歳の団員が平成5年は26.1%だったのに平成29年には13.6%と半減しました。これとは対照的に40~49歳が同じ期間で21.9%から30.9%と倍増しました。そのうえ50歳以上の団員は毎年急増して20%以上になっており、消防団員も高齢化の波が押し寄せています。
 このような時代背景において、消防団員が火災や災害現場に出動する際には防火だけでなく負傷者の応急手当や救命処置などの新しい知識や複雑な手技の必要な場合が多くなってきました。
 特に、地震や災害時には重度の外傷も多く、循環血液量の減少するような大量出血を生じることもあります。
 大出血に際して活動性の出血は直接圧迫止血法、出血点止血法と止血帯止血法などがあり、それぞれに利点と欠点があり、それらを理解しておく必要があります。
 米国ではベトナム戦争を契機に戦場での死者を少しでも減少させるため、大量出血をいかにコントロールするかを専門部隊を導入して検討を進めてきました。その結果、第二次世界大戦における戦傷者の死亡率は19.1%だったのが最近のイラクやアフガニスタン戦争においては9.4%まで減少しました。この理由は、救命処置や輸液、輸血管理の進歩など総合力によるところもありますが、専用の救命ターニケットを用いた止血帯止血法の使用によるといわれております。
 本書においては、わが国における救急医療の第一線で働く専門家が、動脈性や静脈性の出血の違いや止血のメカニズムを理解しやすく解説しております。またターニケットについては詳細に使用法までをわかりやすく説明してあります。
 AED(自動体外式除細動器)の市民による使用が年々普及し、全国の公共施設などでの一般市民が使用できる設置台数の累計は2016年で59万台を超えました。今後は直接圧迫止血法やターニケットによる止血帯止血法が応急手当の一環としてAED同様に消防団員の方々をはじめ、多くの市民にも普及していくことが望まれます。
 救急現場で活動する消防団員のみでなく、消防職員や救急救命や救急医療に興味のある皆様に是非読んでもらいたいものであります。
 2019年1月吉日
              山本 保博

序文

 2018年を表す「今年の漢字」の第1位は「災」でした。北海道胆振東部地震をはじめ、全国各地で頻発した天災や、さまざまな人災などを思い出せば、「災」は残念ながらこの1年をよく反映していると言わざるを得ません。「災」が体を表すような年は金輪際あってほしくないと思いながら調べてみると、新潟県中部地震が発生した2004年の「今年の漢字」も「災」でした。またいつか「災」の名を冠する年が訪れることがないようにと願うばかりです。
 本書の目的である「止血」は、数ある「災」から発生するケガに対するほんの一部の手当にしか過ぎません。しかし、「止血」は傷病者への応急手当の第一歩として「心肺蘇生」とならび命に直接かかわる非常に重要なステップなのです。たいていは119番通報をして、救急隊の助けによって処置できることも多いとはいえ、大ケガの場合には、その助けを待つ前になんらかの手当が必要になります。殊に災害が発生した場合には、救急隊の助けが得られない、また救急隊の到着までに時間がかかるといった事態も発生します。そのような場合に備え、消防団員の皆さんをはじめ、市民の方々に是非とも「止血」への正しい理解と手技を身に着けて頂きたいと願いながら本書を企画しました。
 地震大国である日本が、「平成」から新しい時代に変わり、国際的な一大イベントも控えている今、万が一の場合に備えていつでも対応できるよう、本書が微力ながらもお役に立てることを願います。
 2019年1月吉日
              畑中 哲生


目次


Ⅰ なぜ、止血の方法を学ばなければならないか


1.止血の意義
■Column 米国における止血教育の歴史
■MEMO  軍事における止血の重要性

Ⅱ ケガの種類


1.事故(交通事故)
■MEMO  交通事故での負傷者救護
2.転落・墜落
3.動物に咬まれる
4.刺創・切創(事件)
5.爆傷(テロ)
6.銃創
■付録1  応急手当の法的意味づけ
■Column 応急手当と応急処置の違い
■MEMO  ファーストエイド

Ⅲ からだの中を流れる血管の種類と出血の分類


1.血管の種類
2.出血の分類

  1 出血源の血管による分類
  2 外出血と内出血


Ⅳ 止血の流れ


1. 応急手当(ファーストエイド):種類と順番

  ステップ① 安全確認
  ステップ② 感染防御
  ステップ③ 出血部位の確認
  ステップ④ ドレッシングと直接圧迫止血法
  ステップ⑤ 出血部位の挙上
  ステップ⑥ 包帯(バンデージ)

■Column 出血の応急手当と血液感染
■Column やってはいけないこと

Ⅴ 部位別止血法


1 頭 部
 1. 頭部外傷

  ステップ① 安全確認
  ステップ② 感染防御
  ステップ③ 出血部位の確認
  ステップ④ ドレッシングと直接圧迫止血法
  ステップ⑥ 包帯(バンデージ)

 2. 頭蓋底骨折と髄液漏
 3. 頭部外傷と頸髄損傷
2 顔面・頸部
 1. 顔面・頸部外傷

  ステップ① 安全確認
  ステップ② 感染防御
  ステップ③ 出血部位の確認
  ステップ④ ドレッシングと直接圧迫止血法
  ステップ⑥ 包帯(バンデージ)

 2. 顔面・頸部外傷と頸髄損傷
 3. 鼻出血
 4. 眼球損傷の応急手当
 5. 耳の外傷
 6. 歯の損傷
 7. 鼻腔内をひっかいたり、
       鼻を打撲したりして生じる鼻出血
 8. 吐血・喀血の応急手当
■Column  血液サラサラの薬(抗凝固薬)を
         飲んでいる人に対する注意点





3 体幹部(胴体)
 1. 体幹部(胴体)外傷

  ステップ① 安全確認
  ステップ② 感染防御
  ステップ③ 出血部位の確認
  ステップ④ ドレッシングと直接圧迫止血法
  ステップ⑥ 包帯(バンデージ)

4 四肢(腕と脚)
 1. 四肢(腕と脚)外傷

  ステップ① 安全確認
  ステップ② 感染防御
  ステップ③ 出血部位の確認
  ステップ④ ドレッシングと直接圧迫止血法
  ステップ⑤ 出血部位の挙上
  ステップ⑥ 包帯(バンデージ)

◆三角巾で腕を吊る・固定する
◆エマージェンシーバンデージでドレッシング・包帯
          と直接圧迫止血法を同時に行う
◆局所止血薬

Ⅵ 特殊な止血法(止血帯止血法)


1 三角巾と棒を用いた止血帯止血法
2 専用ターニケットを用いた止血帯止血法
 1. Combat Application Tourniquet(CAT)
 2. The SOF Tactical Tourniquet(SOF TT)
 3. MATレスポンダー(MAT Responder)
3 ターニケットを使用した後の注意点
4 止血帯止血法に対する先入観

Ⅶ どの段階で119番通報するのか―救急車が
             到着するまでの流れ―


1.こんなときは救急車を呼びましょう

  1 救急車を呼ぶ必要がある傷病者①
  2 救急車を呼ぶ必要がある傷病者②
  3 救急車を呼ぶ必要がある傷病者③
          (こんな状況でケガをした)

2.ケガの現場に遭遇したときの行動

  1 安全の確認と確保――二次災害の予防
  2 傷病者の簡単な観察
  3 消防への連絡(119番通報)
  4 警察への連絡(119番通報)
  5 傷病者に対する応急手当
  6 救急隊員への申し送り

■付録2 備えておきたい応急セット
■付録3 消防団員のメンタルヘルスケア


Vol.3 POTファシリテーター養成マニュアル

個数:
Vol.3 POTファシリテーター養成マニュアル

[  著  ] 南 浩一郎
[ 発行年 ] 2018年7月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・80頁
[ 定 価 ] 3,520円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-45-1
[ 主な内容 ]
●傷病者観察のトレーニングに最適!!
●救急振興財団救急救命東京研修所の南先生らが中心となって進めているPOT講義のファシリテーター養成マニュアルの第3弾。
●講義の進行役として参加者の意見交換を促し、相互理解が得られるための指南書として、具体的にわかりやすく解説している。


はじめに

 POTアドバンスを始めて既に4年が経過している。最初の頃は、やり方も行き当たりばったりで、機器が整わなかったり、ファシリテートがうまくいかずデスカッションもままならなかった。しかし、数年の試行錯誤の末にやっと『誰でもやろうと思うと、開催が可能な形』に進化することができた。タブレットを用いて数名のグループで議論しながら進める今のやり方は、講義スタイルというより討論会スタイルになっている。症例も最初は診断にこだわってきたが、今は救急活動時に問題となることを中心に議論するように変化してきている。今のPOTアドバンスは『救命士が救命士を養成するためのケーススタディ』という形になり、ファシリテーターも徐々に増えて、自分の職場で開催するところも増えてきている。これは、私の理想としていた『POT アドバンス=考える救命士の養成ツール』に少し近づくことができたのではないかと思う。
 今回は、POTアドバンスの普及により、同じ症例を目にする機会が増えて、勉強する症例を新たにイノベーションさせることが必要となってきたために、新たに20症例をPOT ファシリテーターマニュアルVOL.3として書き上げた。以前の2冊は私の個人的な経験などに基づく症例が主であったが、今回の多くは医師国家試験に出題されている症例を用いている。救命士の方にも医師国家試験にどのような問題が出されているのかと興味をもってもらえると思う。“なんだ、こんな症例が出ていたのか”とおもしろく思って頂ければ幸いである。
 POTアドバンスは『救命士が救命士を要請するためのケーススタディ』が目標であり、これを用いて臨床能力や病態推論能力をつけるために開発されたものである。「POTファシリテーターマニュアル」、「続POTファシリテーターマニュアル」、今回の「POTファシリテーターマニュアルVOL.3」を活用して、ぜひOJTを充実させて頂きたい。
 平成30年6月吉日
              南 浩一郎


目次


症例 1  急性心筋梗塞(左冠状動脈)、プレショック、
                     関連通
症例 2  心原性ショック、心筋梗塞(右冠状動脈)
症例 3  僧帽弁閉鎖不全症による心原性ショック
症例 4  感染性髄膜炎
症例 5  軽いくも膜下出血からの脳血管攣縮
症例 6  脳梗塞(心原性脳塞栓症)
症例 7  アスピリン喘息
症例 8  緊張性気胸
症例 9  敗血栓塞栓症
症例 10 肝硬変、食道静脈瘤からの出血






症例11 急性膵炎による敗血症性ショック
症例12 糖尿病ケトアシドーシス
症例13 高浸透圧高血糖症候群
          (非ケトン性高浸透圧性糖尿病昏睡)
症例14 低血糖
症例15 周期性四肢麻痺(甲状腺機能亢進症、バセドウ病)
症例16 急性腎障害
症例17 腸管出血性大腸菌感染症
症例18 WPW症候群による頻拍性不整脈
症例19 アナフィラキシーショック
症例20 ギラン・バレー症候群


翻訳 外傷手術手技アトラス

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
外傷手術手技アトラス
ATLAS OF SURGICAL TECHNIQUES IN TRAUMA
                 (翻訳)

[ 監 訳 ]  大友康裕
[ 編 訳 ]  森下幸治 松島一英
[ 発行年 ] 2018年7月1日
[ 分 類 ]  救命・救急医学 外科一般
[ 仕 様 ]  A4変形判・392頁
[ 定 価 ] 18,700円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-44-4
[ 主な内容 ]
●待望の翻訳版が刊行! 救急医・外科医、必読テキスト!
●原著は、全米で最も多忙なレベル1外傷センターとして知られるLos Angeles County + University of Southern California Medical Centerの外科医たちによる執筆。
●630枚を超える高画質の写真や図表を掲載し、臨床に即した解剖、一般原則、術野の露出、手術手技、コツとピットフォールなど、外傷外科手術のキーポイントを解説。


原著 序文

 この外傷手術手技アトラスは、外傷診療に携わる外科医にとって有用な手術室でのガイドとなることを目的としている。外傷手術手技にかかわる重要な解剖、手順、陥りやすいピットフォールなどが写真や図を多用した形でまとめられており、修練医のみならずすべての外科医が手術室へ向かう前にさまざまな手技をレビューできるようになっている。
 このアトラスは解剖学的部位によってそれぞれの章、セクションにまとめられている。630枚を超える高画質の写真や図表に加え、実際の臨床に即した外科解剖、一般原則、術野の露出、損傷修復法、さらには手術のコツやピットフォールなども読者にわかりやすい形で記載されている。
 このアトラスがユニークなのは、実際の外傷患者のように還流、換気された新鮮な遺体を使用している点である。University of Southern CaliforniaのFresh Tissue Dissection Laboratory(FTDL)にて長期間かけて作成された。これによって、文章のみではなかなか伝わりにくい外傷手術手技のキーポイントを読者がすぐに理解できるようになっている。米国の外傷センターにおける臨床の経験が豊富な編者、著者による高画質の写真、図表を満載した本書は外傷診療に携わる外科医にとって重要な助けとなるはずである。
Demetrios Demetriades, Kenji Inaba, and George Velmahos


翻訳版 監修のことば

 この度、「ATLAS OF SURGICAL TECHNIQUES IN TRAUMA」日本語翻訳版を上梓させて頂いた。
 昨今、外傷の外科手術症例は、保存的治療の増加やIVRの発達に伴い、世界的に激減しているが、一方でメスの力でなければ救うことのできない外傷症例は、一定数存在する。このため、外科医は外傷手術の修練をしておかなければならない。わが国では、経験できる外傷手術症例が極めて少ないことから、外傷外科手術指南塾などの講習会やATOM、DSTC、ASSET、SSTTなどのoff-the-job trainingが再開されている。
 本書のEditorである、Dr. Demetriades, Dr. Inaba, Dr. Velmahosは、いずれも現在またはかつて、Los Angeles County Hospital(LAC)で勤務している(していた)Trauma Surgeonであり、Dr. Demetriades率いるLAC外傷外科チームの中心的存在である。LACは、全米屈指のハイボリュームトラウマセンターであり、圧倒的な外傷外科手術症例の診療にあたっている。Dr. Demetriadesが、本書を「手術室で外傷患者の治療を行う外科医のための手引き書」と称しているように、外傷手術の重要な解剖・一連の手術手技およびそれに付随するピットフォールについて理解し、実際に適切な手術実施につなげることが、本書の目的である。修練中の外科医に最適であるとともに、既に独り立ちしている外科医にとっても有益な内容となっている。
 フレッシュカダバー(fresh cadaver)を用い、南カリフォルニア大学Fresh Tissue Dissection Labにおいて数百時間を費やして撮影した画像、豊富な重症外傷の実臨床での経験とクオリティーの高い術中写真やイラストなど、解剖学的領域ごとに、630ものハイクオリティーな写真、イラストが掲載されている。視覚的に美しいとともに、個々のsurgical exposureとprocedureの最も重要なポイントについて、一目瞭然に短時間で理解することができる。
 わが国で、Acute Care Surgeonを志しているものの、「外傷手術について豊富な経験をもつ指導者がいない」と悩んでいる若い外科医の皆さんに、手にとって実際の手術に役立てて頂きたい良書である。
大友 康裕


目次


Section 1 手術室に関する基本事項


01.外傷に対応する手術室

Section 2 救急室における蘇生的手技


02.輪状甲状靱帯切開
03.胸腔チューブ挿入
04.救急室蘇生的開胸

Section 3 頭部


05.頭蓋内圧モニター挿入法
06.急性硬膜外血腫・硬膜下血腫の開頭血腫除去術

Section 4 頸部


07.外傷に対する頸部手術:一般原則
08.頸動脈および内頸静脈損傷
09.鎖骨下動静脈
10.腋窩動静脈
11.椎骨動脈損傷
12.気管・喉頭
13.頸部食道

Section 5 胸部


14.胸部外傷 手術の基本原則
15.心損傷
16.胸部大血管
17.肺損傷
18.胸部食道
19.横隔膜損傷




Section 6 腹部


20.外傷症例に対する腹部手術の一般原則
21.ダメージコントロール手術
22.消化管
23.十二指腸
24.肝損傷
25.脾損傷
26.膵臓
27.泌尿器系外傷
28.腹部大動脈と内臓枝
29.腸骨損傷
30.下大静脈

Section 7 骨盤


31.骨盤骨折に対する外科的出血コントロール

Section 8 上肢


32.上腕動脈損傷
33.上腕筋膜切開
34.上肢切断

Section 9 下肢


35.大腿動脈
36.膝窩動脈
37.下肢切断
38.下肢筋膜切開

Section 10 整形学的ダメージコントロール


39.整形学的ダメージコントロール
POT Basicガイドブック

個数:
POT Basicガイドブック

[  著  ] 尾方 純一
[ 発行年 ] 2017年12月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・174頁
[ 定 価 ] 4,400円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-41-3
[ 主な内容 ]
●救急救命士国家資格取得後、5年目までの救急救命士と、主催者(インストラクターまたはプロバイダー)を対象とした生涯学習・再教育プログラム。
●救急現場で遭遇する(内因性)疾病傷病者の「防ぎ得た死亡と後遺症」を防ぐための評価と判断処置に重点を置いた必携マニュアル。


序文にかえて―アスクレピオスの杖を以ってカドゥケウスを成す者

 米国運輸省幹線道路交通安全局が1973年に採用した救急車両のマークが「The Star of Life(生命の星)」だ(図A)。六芒星の枝には6つの職務が振り分けられているが、中央には1匹の蛇をまとった杖「Rod of Asclepius(アスクレピオスの杖)」が描かれる(図B -左)。ギリシャ神話が伝えるところによれば、アポロンの息子アスクレピオスは非凡な才能を発揮して、ついには死者をも蘇らせたという。生命の星は1997年に全米救命士登録制度へ譲渡され、現在は米国救命士スピリットの象徴として全米で使用される。彼が持ったと伝えられる杖は、まさに、病院前救護に携わる救急救命士の覚悟を表している。なにしろ、死者を蘇らせようというのだから。
序文
図A

 もともと、アスクレピオスの杖は「医学」のシンボルである(図B -左)。世界保健機関(WHO)、全米医学協会、米空軍医療部隊など、アスクレピオスの杖を徽章やロゴのモチーフとする医療団体は数多い。
 一方、米国の医療機関では、2匹の蛇と羽のついた杖「Caduceus (カドゥケウス)」をシンボルにしている場合がある(図B -右)。例えば、米陸軍医療部隊は徽章にカドゥケウスを採用している。アポロンの弟ヘルメスが持つカドゥケウスは神々の伝令と交渉役の証だが、転じて交渉と商業、旅行の象徴となった。本邦でも、一橋大学の校章にはカドゥケウスが使用されている。医療カドゥケウスは、搬送や情報伝達を含む医療搬送・情報システムの象徴である。
序文
図B

 ならば、アスクレピオスの杖とカドゥケウスは、共に救急救命士にこそふさわしい。現在、救急救命士は多くの医療行為を救急現場で行う。その一方で、迅速な搬送および適切な情報伝達を行うことは医療行為に等しく重要だ。すなわち、救急救命士こそアスクレピオスの杖を以ってカドゥケウスを成す者である。
 アスクレピオスの偉大な系譜は、アスクレピオスの娘で薬学の象徴ヒュギエイア、癒しの象徴パナケイア、そしてその末裔ヒポクラテスへと続く。そのアスクレピオスに教育を授けたのは、半人半馬のケンタウロス、賢者ケイローンである。救急救命士もまた、アスクレピオスの杖とカドゥケウスを共に授けられた高度なハイブリッドだ。ならば、ケイローンとなって未来の救急救命士の系譜を支えるのもまた、救急救命士ということになるだろう。このガイドブックがその一助になれば幸いである。
 平成29年11月吉日
尾方 純一


目次


1 POT


1-1 POTの名称
1-2 POTの種類
1-3 POTが扱う疾患
1-4 POTの目的
1-5 救急救命士の生涯教育・再教育

2 POT Basic


2-1 POT Basicの概要
2-2 POT Basicの受講者
2-3 POT Basicの主催者

3 POT Basic開催の準備


3-1 POT Basicのコア・アーキテクチャー(基本設計)
3-2 スキャホールディング
3-3 スキャホールディング1.難度―やさしい
3-4 スキャホールディング2.難度―中程度
3-5 スキャホールディング3.難度―難しい
3-6 POT Basicの開催形態
3-7 POT Basicの教育技法
3-8 POT Basicの開催時間
3-9 POT Basicで使用するシナリオ
3-10 POT Basicの認定
3-11 POT Basicに必要な視点

4 POT Basicで使用する定義


4-1 「気づき(認知)」を与える指標としての定義
4-2 ハイリスク傷病者
4-3 ハイリスク症候(症状)
4-4 内因性ロード&ゴー
4-5 緊急安静搬送(Hurry,But Gently)
4-6 輸液プロトコルの適応
4-7 ブドウ糖投与プロトコルの適応

5 POT Basicで使用するアルゴリズム


5-1 PEMECおよびPCEC/PSLS標準アルゴリズム
5-2 PEMEC標準アルゴリズム
5-3 PCEC標準アルゴリズム
5-4 PSLS標準アルゴリズム




6 POT Basic 1 循環


6-1 POT Basic 1 のスキャホールディングと
                コンピテンシー
6-2 POT Basic 1で使用するシナリオ
6-3 POT Basic 1で使用するプロトコル
6-4 POT Basic 1ではショックおよび急性心筋梗塞
            に関する事前学習が必要

  1.ショック
  2.急性冠症候群(ACS)
  3.POT Basic 1 の症例


7 POT Basic 2 呼吸


7-1 POT Basic 2のスキャホールディングと
                コンピテンシー
7-2 POT Basic 2で使用するシナリオ
7-3 POT Basic 2で使用するプロトコル
7-4 POT Basic 2では異常呼吸音およびガス交換障害
            に関する事前学習が必要

  1.呼吸音と病態
  2.POT Basic 2 の症例


8 POT Basic 3 意識障害


8-1 POT Basic 3のスキャホールディングと
                コンピテンシー
8-2 POT Basic 3で使用するシナリオ
8-3 POT Basic 3で使用するプロトコル
8-4 POT Basic 3では意識障害を生じる疾患
            に関する事前学習が必要

  1.意識障害の原因
  2. POT Basic 3 の症例
  ・意識レベルの確認
  ・意識障害の評価が困難な場合


9 POT Basic ネームカード


災害薬事標準テキスト

個数:
災害薬事標準テキスト

[ 監 修 ] 一般社団法人日本災害医学会
[ 編 集 ] 大友 康裕
[ 発行年 ] 2017年8月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判 本文76頁
[ 定 価 ] 1,980円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-39-0
[ 主な内容 ]
●災害時における薬剤師の役割と必要性を学ぶためのPhDLSテキスト。
●災害薬事トリアージやフィジカルアセスメント、医薬品供給等についてわかりやすく解説。
●薬剤師はもとより、医療スタッフや行政職員等にも役立つ実践書。


監修の序

 日本における災害医療は、阪神・淡路大震災以降、体制整備がなされ多くの医療職の関与が求められるようになってきています。その中でも医療提供にあたり重要な位置を占めるのが、医薬品供給体制の在り方や、薬事関連業務の在り方です。日本集団災害医学会では、災害医療におけるさまざまな標準化トレーニングコースを開催していますが、災害時における薬事対応コースとして、災害薬事研修:PhDLS(Pharmacy disaster Life Support)を開発し、コース開催して参りました。災害医療においては多くの職種と連携し協働することが必要とされます。その際、効率的・効果的に働くためには、共通言語(理念・知識・標準手順)が求められます。PhDLS には、薬事対応特有の教育内容が含まれるのみでなく、DMAT(Disaster Medical Assistance Team)などの医療チーム、消防・警察職員を対象とした多数傷病者対応 MCLS(Mass Casualty Life Support)コースなどとも共通の教育内容も含まれており、組織を超えた整合性も図られております。
 PhDLS の教育内容は、薬事にかかわるすべての者が対象者であり、災害医療の導入コースとしてご活用頂けたら幸いです。PhDLS は 2016 年からコース開催を重ね、薬剤師だけでなく医師、看護師、他の医療スタッフ、行政職員、卸業者など医療者から、非医療者まで幅広く受講頂き好評を得ております。全国の皆様から、各地域での開催要望の声だけでなく、テキストの必要性のお声を頂き、PhDLS 運営委員会のコアメンバーにて本書を編集・執筆致しました。災害医療の基本対応や薬事関連対応などより多くの方に購読して頂き、災害時における医薬品供給から薬物治療の対応能力の向上、医療チームにおける多職種連携力の向上、そして、薬事に平時にはかかわりの少ない方にも知識として持ち合わせて頂き、災害医療の底上げに寄与することを願っております。
 平成 29 年 7 月吉日
日本集団災害医学会 代表理事 小井土 雄一


緒言

 東日本大震災では、多くの医療関係者が被災者の医療等に尽力した。従来備えていた災害医療体制が機能したと評価できる部分がある一方、多くの新しい課題が教訓として挙げられた。広範囲にわたる被害により、ライフラインの途絶や燃料の不足、医薬品等の物資の供給不足などにより、多くの医療機関で長期的に診療機能が低下した。
 さらに最大 42 万人に及ぶ避難者は、過酷な環境の中での生活を余儀なくされ、十分な保健医療・公衆衛生的対応がとられず、残念ながら多数の災害関連死を招くこととなった。
 そのような中で、全国から薬剤師が被災地に赴き、献身的に医療支援等の活動を長期間にわたり提供した。その経験から、大災害時の薬剤師の必要性が、改めて認識された。
 現在、災害医療における研修は、DMAT ほかの医療救護班向けのもの、および日本集団災害医学会が多職種向けとして全国各地で開催している MCLS など、系統的研修が展開されている。しかしながら薬剤師の分野では対応は遅れているのが現状である。
 前述のように災害医療の現場での薬剤師の存在意義は大きく認められつつあり、その要請に応えられるよう、災害医療に強い薬剤師の育成は必須である。このため、日本集団災害医学会では、災害薬事研修会(Pharmacy Disaster Life Support;PhDLS)を開発した。2014 年 12 月から試行コースを開催し、10 回の試行コースを経て、2015 年 7 月より正規コースを開催している。
 薬剤師は、平時は医師からの処方箋の発行を待って施薬するという、やや受け身の業務を行っている。しかし災害時は、医療ニーズに対して、提供できる医療者が不足している状況である。このため、薬剤師には薬剤師としての専門性を発揮するとともに、一医療者としての活躍も期待して、コースでは災害時の保健医療・公衆衛生活動の内容および他の医療従事者の業務負担軽減につながる災害薬事トリアージを取り入れた。災害薬事トリアージを実施する際、患者のフィジカルアセスメントを実施する必要がある。2006 年より薬学部 6 年制課程が導入されて、大学教育でもフィジカルアセスメント技術習得教育が実施されていることから、コースでもこの内容を入れた。
 PhDLS コースで、災害時に適切に活動できる知識・技能を有する薬剤師を、できるだけ多く養成し、実災害発生時に活躍して頂くことを期待している。
大友 康裕


目次


1 災害時における薬剤師の必要性と役割


1.東日本大震災で得た新たな教訓

  1) 東日本大震災での災害医療対応
  2) 新たな防ぎえる災害死

2.大災害時における薬剤師の必要性

  1) 災害時の公衆衛生的対応
  2) 薬剤師の役割

3.PhDLSコースでの獲得目標と
       日本集団災害医学会災害医療認定薬剤師

2 災害医療の原則


1.救急医療と災害医療の違い
2.災害医療の原則
3.メディカル・マネジメント(医療管理)

  1) C:Command & Control
           [指揮と統制(連携、連絡・調整)]
  2) S:Safety(安全)
  3) C:Communication(情報伝達)
  4) A:Assessment(評価)

4.メディカル・サポート(医療支援)

  1) T:Triage(トリアージ)
  2) T:Treatment(治療)
  3) T:Transport(搬送)


3 災害薬事支援の原則


1.Pharmaceutical Triage(災害薬事トリアージ)
2.Preparation(準備)
3.Provide Medicines(医薬品供給・調剤)

4 災害薬事トリアージとフィジカルアセスメント


1.災害薬事トリアージの概要
2.災害薬事トリアージの1つとしての問診

  1) 自覚症状の聴取:LQQTSFA
  2) 社会的情報についての問診
  3) 既往歴・服薬歴・アレルギー歴

3.フィジカルアセスメント

  1) 意識の評価「意識レベル」
  2) 呼吸の評価
  3) 循環の評価
  4) 体温

4.災害薬事トリアージ




5 災害における医薬品供給


1.災害時の医薬品供給

  1) 発災後3日まで(超急性期)
  2) 発災後3~7日頃(急性期)

2.災害時の集積所の役割(保管と仕分け)
3.災害時のロジスティックで考える医薬品供給
4.情報断絶のときの「プッシュ型供給」

6 災害時、薬事関連通知(規制緩和)


1.大規模災害時の処方箋および調剤について
2.調剤を行う場所について
3.医薬品医療機器の融通について
4.診療報酬の取り扱いについて
5.被災地での医療費患者負担について
6.医療用麻薬の取り扱いに関する
          東日本大震災の際の特例について

7 避難所での情報収集と医療救護班との連携


1.避難所での情報収集(アセスメント)

  1) 避難所を評価するキーワード
  2) PHARMACIST

2.避難所での薬剤師の役割

  1) 避難所における薬剤師活動

3.避難所における医療救護班との連携
4.避難所における多数の支援団体との連携

8 わが国の災害医療体制


1.わが国の災害対策関連法体系

  1) 災害対策基本法
  2) 災害救助法

2.阪神・淡路大震災以降の災害医療に関する国の取り組み
3.厚生労働省局長通知
4.厚生労働省防災業務計画

  1) 災害拠点病院
  2) 広域災害・救急医療情報システム(EMIS)
  3) DMAT
  4) 医療搬送
  5) 災害医療コーディネーター
  6) 医薬品などの安定供給の確保

5.地域公共団体の取り組み

附録 薬事関連における災害対応通知一覧


緊急検査すぐ確認!!

個数:
ER若手スタッフ便利帳
緊急検査すぐ確認!!

[ 編 集 ] 三宅 康史
[ 発行年 ] 2017年4月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] 新書判・319頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-38-3
[ 主な内容 ]
●若手ER医師・ERナース、関連スタッフのための、ポケットサイズの緊急検査の指南書。どこから読んでもすぐに役立つ便利帳。
●簡潔な文章で検査の基礎を集約。あやふやに覚えていたことを、何度も読んでぐらつかない知識に!


緒言

 この度、「緊急検査すぐ確認!!」と題した書籍が上梓されました。編集は帝京大学医学部救急医学講座の三宅康史教授です。彼は帝京大学医学部附属病院の救命救急センター長でもあり、臨床医として長きに渡り救急医療の最前線で、まさに陣頭指揮にあたってきました。その中で例えば、精神医学的な背景を有した救急患者や熱中症を疑う患者への対応といった極めて現実的な課題に果敢に取り組んできたことでもよく知られています。
 そのような立場から、今回は本書によってER(救急外来、救急蘇生室など)で活躍するスタッフに緊急検査の取り扱いを指南しています。そこには血液、尿、髄液などの検体検査から、感染症や免疫学的な諸々、超音波、レントゲン撮影といった画像診断までもが含まれていて、まさにERに出入りするすべての人々を“支援する”にふさわしいものであると言うことができます。
 総論での説明にありますように、ERに働く医師が、患者が来院する前にサッと目を通す、ないし上級医らにプレゼンテーションを行うにあたり確認のために用いるなどが具体的な本書の使用法と書かれています。しかし、ERには医師のみならず、看護師やその他多くの職種が展開しています。日本臨床救急医学会における議論を参考にしますと、薬剤師、臨床放射線技士、臨床検査技師、場合によってメディカルソーシャルワーカー(医療福祉士)も各々に固有な職能に加えて、それぞれが救急医療分野において特徴的な専門性を発揮できるキャリアアップの方策(資格認定を行う仕組みなど)を構築しています。つまり、ERを軸に多職種が既に本書を待ち望んでいたことになります。
 保健師助産師看護師法の改正によって、看護師にとってかつては“難しいから”という理由でできなかった医行為についても一定の研修を経て、いわゆる特定行為については診療の補助として行うことができるようになりましたし、診療放射線技師も同じく造影剤の静脈内投与ないし下部消化管内への注入が、医師による包括的な指示の下で可能になりました。医師や看護師の職能がそれぞれ看護師や診療放射線技師に移譲されたわけです。このように多くの職種が情報共有などのノンテクニカルスキルのみならず、専門的な作業であるテクニカルスキルについても、相互に乗り入れるチーム医療の方法が救急医療の分野でも普及しつつあると認識できます。
 以上により、本書が多職種のスタッフに、そして将来そのようになる学生諸君にも、救急患者の搬入前に目を通したり、合同カンファランスにおいて参考にしたりと、そしてそこから湧いた疑問を医療チームの仲間に尋ねたり尋ねられたりとなれば、本書の利用は誠に奥深いものとなり得ます。多くの医療者やそれらを目指す学生らが、便利帳たる本書を手に取ることを大いに期待します。
 平成29年3月吉日
独立行政法人労働者健康安全機構 理事長
有賀 徹


本書の使い方

◆発刊までの経緯
 ぱーそん書房から2015年10月に「ERドクター便利帳 輸液再確認!!」なる単行本(新書判,305頁)が出たのを御存知の方もいらっしゃるかと思います。今回企画のこの本、実はその第2弾なのです。ERドクター便利帳がシリーズ化されるという話は最初の頃はなかったと認識していたのですが、輸液の便利帳ができれば、当然ながら次は検査に関する便利帳でしょ…との山本美惠子代表のありがたいお誘いもあってここに至った次第です。
 最近ではPOCT(Point of Care Testing)の言葉もだんだん身近になりました。その迅速性という利点を活かして、救急患者のERでの重症度・緊急度評価、次なる検査の選択、そして現状で最良と思われる治療法に導くこと…は救急診療に携わるスタッフにとって、まさに目の前でリアルに展開される救命救急医療の醍醐味そのものといえます。
 というわけで、さっそくERでの診療中に結果がわかり、その後の検査選択、鑑別診断、確定診断と初期対応、ケアにも役立ち、リスクが高いといわれるERでの感染対策など医療安全にも大いに寄与する緊急検査(≒POCT)について、現場で日々そのアドバンテージを実感し、簡便性の裏に隠れたリスクについても熟知している先生方に執筆をお願いしております。
 急患が来たので、静脈路を確保してとりあえず採血はしたけれども、その結果も見ず、評価もし忘れて、上級医や受け持ち看護師さんから指摘されて初めて「ギョギョッ!!」となることのないよう、この1冊で緊急検査についてしっかり学んでしまいましょう。
◆具体的な使い方
 「便利帳」と銘打っているからには、患者が来る前に調べておきたい項目や、プレゼンテーションの前に確認しておきたい事項がすぐにわかるように、項目立てを工夫しています。また執筆にあたっては、平易な表現を用いて短い文章で簡潔・簡便にまとめて覚えやすいようにしています。図、写真を多用して視覚的情報をなるべく多く盛り込み、一覧して理解できるよう工夫しています。
◆総論
 ここでは緊急検査を行う意味、避けることのできるリスクについて書いてあります。
 買った後に帰りの電車の中で(買わない場合には医学書コーナーの立ち読みで)読んで頂き、POCTとはこういうもので、このように使うと便利で役に立つんだな、と現代医学の進歩をたくさん享受できる喜びをかみしめてください。
◆各論
①この検査を緊急でやる意義について:短時間で全体像を把握できるよう要点を箇条書きにしてします。ここだけ読んで、この章が自分に必要かどうか判定します。
②実際の測定手順:必要と思われる項目では測定法についても詳述しています。検査技師のいない、検査のできない医療機関もあるからです。検査のタイミングや検査にあたっての注意事項、検体の管理、医療機器の取り扱い方法などにも言及しています。
③検査結果に応じて、病態と重症度の把握、鑑別診断を系統的に想起できるようにします。
④次の一手として、追加の検査オーダー計画、既往歴・現病歴などの情報収集とのすり合わせ、鑑別・確定診断への道筋にどう役立てるか、を考えていきます。
⑤緊急検査の結果確認後に、第2回目の検査は何を目的にどのタイミングで行うべきか、結果を正常値、異常値の場合に分けて考察していきます。
編者 三宅康史


総 論


■緊急検査を行う意味、避けることのできるリスク

  ・ERにおける身体所見―病歴聴取―緊急検査の関係
  ・確定診断へ早く到達する方法
  ・緊急検査の価値
  ・注意すべきピットフォール
  ・最後に


各 論


1 血糖

  1.高血糖
  2.低血糖
  3.血糖測定器

2 動脈血液ガス分析

  1.解釈の手順
  2.動脈血液ガス分析でほかに測定できるもの
  3.静脈血液ガス分析は実現可能か
  4.動脈血液ガス分析の解釈に必要な呼吸生理
  5.P/F比について
  6.A-aDO2について
  7.機械の設定について
  8.一酸化炭素(CO)について

3 電解質

  Ⅰ ナトリウム異常
   1.ナトリウムの異常と調節機構
   2.高ナトリウム血症
   3.低ナトリウム血症
  Ⅱ カリウム異常
   1.カリウムの異常と調節機構
   2.高カリウム血症
   3.低カリウム血症
  Ⅲ カルシウム異常
   1.カルシウムの異常と調節機構
   2.高カルシウム血症
   3.低カルシウム血症

4 BUN・Cre

  1.尿素窒素(BUN)とは?
  2.血清クレアチニン(Cre)とは?
  3.BUN/Cre比からわかること
  4.BUN/Creの解離と消化管出血
  5.Creと急性腎障害の重症度分類
  6.急性腎不全の鑑別診断指標

5 CRP・PCT・P-SEP

  Ⅰ CRP
   1.CRPとは
   2.CRPの解釈
  Ⅱ PCT
   1.PCTとは
   2.PCTの有用性
   3.臨床におけるPCTの有用性
  Ⅲ P-SEP
   1.P-SEPとは
   2.P-SEPの有用性

6 緊急凝固系検査

  1.実際の測定手順
  2.検査結果で何を考えるか
  3.次の一手
  4.POCT後、次のチェックはいつ行うか

7 SpO2

  1.測定原理
  2.測定方法
  3.モニターの基本
  4.ERでの実際の使用方法

8 ETCO2

  1.測定原理
  2.測定方法
  3.カプノグラムの基本波形
  4.ERでの実際の使用方法
  5.PETCO2異常の原因

9 心電図(Ⅱ誘導)

  1.注意点
  2.実際の測定手順
  3.不整脈の診断
  4.緊急治療が必要な不整脈

10 尿比重

  1.尿比重・尿浸透圧測定の意義
  2.尿比重と尿浸透圧の関係
  3.尿比重測定の実際
  4.尿濃縮の生理学
  5.異常がみられた場合の検査の進め方

11 尿一般定性

  1.尿一般定性検査の適応
  2.尿観察・尿一般定性(試験紙)検査の実際
  3.異常がみられた場合の考え方

12 心筋マーカー

  1.検査の意義
  2.測定により何がわかるか
  3.検査結果に応じて何を考えるか
  4.異常となるほかの疾患
  5.次の一手




13 BNP

  1.BNPおよびNT-proBNPとは
  2.実際の測定―どういうときに検査するか
  3.BNPとNT-proBNPの使い分け
  4.検査結果で何を考えるか
  5.異常となる疾患―測定結果に影響する因子
  6.検査結果を次にどう役立てるか

14 D-ダイマー/FDP

  1.凝固と線溶
  2.一次線溶と二次線溶
  3.D-ダイマーとFDP
  4.測定後の判断
  5.異常値を示す疾患
  6.偽陽性となる場合
  7.問題点
  8.Get the Knock

15 髄液一般

  1.目的
  2.実際の測定手順
  3.検査結果
  4.髄液検査の臨床への応用
  5.髄膜炎に対する治療の評価

16 感染症迅速診断(免疫学的手法)

  1.インフルエンザ
  2.A群β溶連菌感染症
  3.マイコプラズマ感染症
  4.レジオネラ肺炎
  5.肺炎球菌性肺炎

17 グラム染色・顕微鏡検査

  1.グラム染色・鏡検の適応となる患者
  2.グラム染色の方法
  3.鏡検のポイント
  4.グラム染色・鏡検の臨床への応用
  5.抗菌薬決定のその後
  6.グラム染色・鏡検の限界について

18 結核関連・抗酸菌検査

  1.救急外来で結核を想定する患者群
  2.抗酸菌検査の解釈について理解する
  3.結核である場合の対応について理解する

19 尿中薬物定性試験

  1.尿中薬物定性試験の意義
  2.尿中薬物定性試験の種類と特性―特にトライエージDOA
    について
  3.トライエージの測定原理、測定方法
  4.検査結果を解釈する際の注意点
  5.検査結果をどのように臨床に活かすか?
  6.POCT後の追加検査とその目的

20 HCG定性

  1.HCGとは?
  2.HCG検査の実際

21 血液型とRh

  1.血液型の測定方法
  2.輸血の手順
  3.危機的出血の際の緊急輸血
  4.大量輸血
  5.輸血の副作用・合併症

22 胸部X線写真

  1.撮影体位による見え方の違い
  2.重要な異常所見
  3.臨床症状と鑑別疾患
  4.胸部外傷

23 腹部超音波検査

  1.腹部救急診療における超音波検査の役割
  2.腹部救急疾患の超音波像

24 心臓超音波検査

  1.心臓超音波検査を行う前の準備
  2.救急の現場における心臓超音波検査の必要最小限の
    チェックポイント
  3.救急疾患別のチェックポイント

25 産科超音波検査(FASO含む)

  1.産褥期の出血への対応
  2.Focused assessment with sonography for obstetrics
    (FASO)
  3.産褥期の出血の原因
  4.FASOを行う手順と鑑別診断


Topics


・SMBG機器とPOCT対応機器について
・FGMシステムについて
・乳酸についての考え方(Advanced)
・FDPとD-ダイマーの違い
・SpO2測定時に陥りやすい代表的なピットフォール
・百聞は一見にしかず
・G式アンチバイオグラム
・IGRAについて
・抗酸菌塗抹検査と同定検査、感受性検査
必携 救急観察処置スキルマニュアル

個数:
必携 救急観察処置スキルマニュアル

[  著  ] 安田 康晴
[ 発行年 ] 2017年2月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・191頁
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-35-2
[ 主な内容 ]
●救急教育課程で学ぶ手技習得のための必携テキスト。
●若手隊員の指導に最適!!
●手技確認のためのチェックシートで再確認を。


はじめに

 平成3年に救急救命士制度が発足し、その後平成15年に救急救命士による包括的指示下での除細動の実施が可能となり、平成16年には気管挿管、平成18年には薬剤投与(アドレナリン)が、そして平成26年には心肺機能停止前の重度傷病者に対する輸液と低血糖に対するブドウ糖溶液の投与が可能となった。救急救命士制度発足から20年を経て救急救命士の処置範囲は大きく拡大し、処置を行う救急救命士の責任もますます重くなっている。
 近年、救急救命士の処置範囲の拡大がクローズアップされ、教育施設や地域、メディカルコントロール協議会での訓練や講習は特定行為に主眼が置かれている印象をもつ。しかし、救急現場活動でこれらの特定行為を実施する症例の割合は少ない。特定行為の訓練をないがしろにする気持ちはないが、特定行為の手技はそれ以前に行われる基本的手技の上に成り立つことは言うまでもない。
 本書は救急教育課程での手技の習得のため、また救急課程を修了し現場で活動している救急救命士(救急隊員)が救急教育課程で学んだ手技を再度確認するためにチェックシートを付して作成した。救急救命士や消防学校などの教育施設では、教員(教官)と学生が手技を共有し修得して頂きたい。また、現場活動している救急救命士(救急隊員)は、署内での救急訓練で再度、自身の手技の確認や若手隊員の指導に本書を活用して頂きたい。
 本書の内容は救急救命士標準テキストや救急隊員標準テキストに準拠して作成してはいるが、教育施設や所属、あるいはメディカルコントロール協議会での活動基準すべてを網羅したものではない。そのため、表現方法や手順などに多少の齟齬が生じていることも予想されるが、「こうしなければならない=must」という記載とはしていないので、教育施設や地域によって大いに修正し活用して頂ければ幸いである。また、表現方法や手順についての疑問や修正、また追加してほしい項目があれば、今後の改訂の参考のためご連絡頂きたい。
 本書で救急現場活動での手技が向上し、傷病者救護の一助となれば幸いである。
 平成29年1月吉日
広島国際大学保健医療学部
医療技術学科救急救命学専攻
教授 安田 康晴




目次


1.感染防止


  1・手洗いスキル
  2・手袋外しスキル
  3・サージカルマスク装着スキル
  4・N95マスク装着スキル

2.観察1


  1・状況評価スキル
  2・意識観察スキル
  3・呼吸・脈拍観察スキル
  4・初期評価スキル
  5・聴診・触診・打診スキル
  6・瞳孔・体温観察スキル
  7・運動機能観察スキル
  8・外傷初期評価スキル
  9・外傷全身観察スキル

3.観察2


  1・血圧測定スキル
  2・血中酸素飽和度測定スキル
  3・心電図測定スキル
  4・血糖測定スキル

4.処置


【1】気道管理
  1・用手による開口スキル
  2・器具による開口スキル
  3・指拭・吸引スキル
  4・頭部後屈顎先挙上スキル
  5・下顎挙上スキル
  6・トリプルエアウエイマニューバースキル
  7・経口(口咽頭)エアウエイスキル
  8・経鼻エアウエイスキル
  9・喉頭鏡・マギール鉗子による異物除去スキル
【2】酸素投与
  1・リザーバーバッグ付きマスクスキル
  2・ベンチュリー型マスクスキル
  3・鼻カニューレスキル
  4・酸素ボンベ交換スキル
【3】人工呼吸・補助換気
  1・ポケットマスクスキル
  2・バッグ・バルブ・マスク(成人)スキル
  3・バッグ・バルブ・マスク(小児・乳児)スキル
  4・永久気管孔・気管切開孔スキル
【4】循環管理
  1・胸骨圧迫(成人)スキル
  2・胸骨圧迫(小児・乳児)スキル
  3・除細動スキル
  4・エピペンスキル
  5・エピペントレーナーの使い方スキル



【5】外傷

  ➊創傷処置

  1・たたみ三角巾スキル
  2・被覆スキル1
  3・被覆スキル2
  4・被覆スキル3
  5・止血スキル
  6・外傷創処置スキル

  ➋固定処置

  1・固定(梯状副子)スキル
  2・牽引固定スキル
  3・固定(陰圧副子)スキル
  4・頸椎カラースキル
  5・ログロール(仰臥位)スキル
  6・ログロール(腹臥位)スキル
  7・バックボード固定(立位)スキル
  8・全身固定スキル
  9・スクープストレッチャー固定スキル
【6】分娩介助
  1・分娩介助スキル

5.特定行為


【1】器具による気道確保
  1・i-gelスキル
  2・コンビチューブ(ツーウェイチューブ)スキル
  3・ラリンゲルチューブスキル
  4・ラリンゲアルマスクスキル
  5・気管挿管スキル
  6・ビデオ喉頭鏡による気管挿管スキル
  7・気管吸引スキル
【2】静脈路確保
  1・輸液回路準備スキル
  2・静脈路確保スキル
【3】薬剤投与
  1・アドレナリン投与スキル
  2・ブドウ糖投与スキル

6.体位管理・搬送


  1・体位管理スキル
  2・徒手搬送スキル1
  3・徒手搬送スキル2
  4・徒手搬送スキル3
  5・ストレッチャーの上げ下げスキル
  6・車外救出(用手)スキル
  7・車外救出(毛布)スキル
  8・車外救出(KED)スキル
  9・ヘルメット外しスキル
続POTファシリテーター養成マニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
続POTファシリテーター養成マニュアル

[  著  ] 南 浩一郎
[ 発行年 ] 2016年11月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・98頁
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-34-5
[ 主な内容 ]
●傷病者観察のトレーニングに最適!!
●救急振興財団救急救命東京研修所の南先生らが中心となって進めているPOT講義のファシリテーター養成マニュアルの続編。
●講義の進行役として参加者の意見交換を促し、相互理解が得られるための指南書として、具体的にわかりやすく解説している。


はじめに

 現在までの救急救命士(救命士)の職務は、心肺蘇生法の質の維持と、心肺機能停止傷病者の救命率の向上に重点がおかれていたが、現在、心肺機能停止前の医療行為および応急処置を含む救急業務に救命士の能力を活用する流れに変化しつつある。その中で、どのように理学的所見の観察の仕方や思考の仕方などを教育していくのかが議論されてきた。
 POTは約4年前から救命士の観察能力の向上を目的に心肺停止前トレーニングとして開発され、今まで普及が図られてきた。今日では多くの地域でこれを参考に生涯教育が行われている。
 前書『POTファシリテーター養成マニュアル』は、POTの教育技術を多くの救命士の方に学んでもらおうと平成27年12月に刊行された。ありがたいことに多くの方に活用して頂いている。しかし、前書ではPOTの講義症例全体の前半部分しかなかったために、後半の症例も必要との声を頂いていた。この『続POTファシリテーター養成マニュアル』は前書の続編としてつくられたものである。
 心肺機能停止前における特定行為の適否を判断するには、心肺機能停止の判断以上に高度な医学的知識・ 技術に基づいた初期観察・全身観察が必要となる。現在は、心肺機能停止を予防するための応急処置・医療行為こそ、今後の救急救命士制度発展の鍵になると考えられている。
 本書を参考に、各消防本部で自分たちの力でPOTを開催してほしい。また、この手法は救急隊でのOJTや想定訓練(シナリオトレーニング)にも活用できる。本書を日々の訓練や臨床に活用し、観察能力を伸ばし疾患の知識を深めてほしい。
 また、『POTファシリテーター養成マニュアル』『続POTファシリテーター養成マニュアル』は救命士のみならず、救急に携わる看護師や研修医のケーススタディにも十分活用可能である。ぜひ、幅広い医療従事者に勉強会などの資料としてご活用頂き、理学的所見を用いた救急での診断、観察能力を養って頂ければ幸いである。
 平成28年10月吉日
南 浩一郎


あとがき

 POTが開発されてから4年が経過して、毎年15~20回を超える講義が全国各地 で開催されるようになってきました。また、各地ではこれをアレンジした方法で 地域に合ったPOTが開催されてきており、最初は手探りで始めたものが、救急救 命士の生涯教育の1手法として確立してきた感があります。これも、多くの救急 救命士、医療関係者の皆様のご指導、ご鞭撻の賜物と御礼申し上げます。
 この『続POTファシリテーター養成マニュアル』と前書『POTファシリテーター 養成マニュアル』の発刊にあたり、貴重な写真をご提供くださったり、編集にご 協力頂きましたすべての方々に心から御礼申し上げます。おわりに、ぱーそん書 房の山本様、レールダルジャパンの皆様方には格別のお力添えを賜わり深甚の敬 意と謝意を表します。
 平成28年10月吉日
南 浩一郎


目次

POTとは何か
POTにおけるファシリテーターとは
POTの講義の進め方
会場の設営
講義資料の準備
POTの構成
POTでの症例提示の方法
症例提示のポイント
プレゼンテーションのやり方
プレゼンテーションの評価
ディスカッションのやり方
講義のやり方



  症例20 出血性ショック
  症例21 敗血症性ショック
  症例22 敗血症性ショック
  症例23 高血糖1.糖尿病性ケトアシドーシス
  症例24 高血糖2.非ケトン性高浸透圧性昏睡
  症例25 低血糖発作
  症例26 甲状腺機能亢進症(甲状腺クリーゼ)
  症例27 副腎皮質機能低下症(急性副腎不全)
  症例28 敗血症性ショック
  症例29 腎性心不全、心不全、肺水腫
  症例30 透析患者、肺水腫、腎性高カリウム血症
  症例31 急性腎不全
  症例32 頻拍性不整脈
  症例33 徐脈性不整脈
  症例34 致死性不整脈(Brugada症候群)
  症例35 偶発性低体温症
  症例36 熱中症
  症例37 アナフィラキシーショック
  症例38 神経原性ショック(脊髄損傷)
  症例39 溺水

病院前 精神科救急 55事例から学ぶ対応テキスト

個数:
病院前 精神科救急 55事例から学ぶ対応テキスト

[  著  ] 市村 篤
[ 発行年 ] 2015年12月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学 精神科
[ 仕 様 ] A4判・134頁
[ 定 価 ] 2,750円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-30-7
[ 主な内容 ]
●救急現場の目線で捉えた精神科救急テキスト。
●救急隊員が現場で苦慮するのが精神科救急対応である。こうした悩ましい傷病者への対応の原則を、55の事例で提示。
●傷病者のためにも救急隊員自身のためにも精読したい必携書!!


序文

 筆者が東海大学救命救急センターに常駐する精神科医として勤務したのは平成7(1995)年であった。途中で職場を離れた時期もあったが、救命救急センターとはもう20年ものつきあいになる。それまでは、救命救急センターで精神症状を呈する患者の対応をしたこともあったが、多くの時間は精神科病院に勤務して精神疾患の診療を行う普通の精神科医であった。
 救命救急センターに勤務して、さまざまなことに気づかされた。精神科医療の枠の中だけにとどまっていては、到底わからなかったであろうことだ。そのお陰で、救急医学の立場から精神医学を考えることができた。
 まず、自殺企図者が連日搬送されてくることを知った。しかも、その手段の多くは精神科医の処方した薬であること。身体治療が終了して帰宅しても、また同様に精神科医の処方した薬を過量服薬し、リピーターとして搬送されることが多いこと。患者が自殺企図で入院しても、主治医の精神科医が救命救急センターを訪れたことがないことを知った。
 また、身体科救急と精神科救急とは別のシステムで運営されており、夜間・休日の精神科救急がほとんど機能していないこともわかった。本来、精神科救急で扱われるべき事例も、救急医たちが、患者のため、救急隊のために受け入れていることもわかった。
 救急現場は他の一般的な診療科に比べて、救急医と救急隊員のつながりが強く、救急隊員のプレホスピタルケアなしには、患者を救えないことも知った。救急医や看護師、検査技師、ケースワーカー、救急隊員による多職種連携によって、救急医療が行われていることを知ったのである。
 これらのことは、救急施設に常駐しなくては、一生知らぬままに終わったであろう。
 精神科医が身体科医とチーム医療を行うための精神医学的対応を体系化した、リエゾン・コンサルテーション精神医学と呼ばれるジャンルがある。近年、救命救急センターに精神科医が積極的にかかわって、リエゾン・コンサルテーション精神医学が行われるようになってきた。しかし、こうした精神科医は全体の一部であり、精神科医不在の救急施設も多い。日本臨床救急医学会では、PEEC(Psychiatric Evaluation in Emergency Care)と呼称される、精神科医のいない状況を想定した、救急外来や救急病棟・救命救急センターの医療スタッフを対象に、精神症状を呈する患者にとって、安全で安心な“標準的”初期診療ができるための教育コースを開発している。
 しかしわが国では、主に病院に来院または入院した患者への対応に関する書物はあるが、病院前の精神科的対応については、救急救命士や救急隊員のための教科書に少し記載されているのみである。救急現場で精神症状を呈する傷病者に苦慮している救急隊員のための、救急隊員に特化した実践的なテキストがないので、今回、筆者の経験をもとに、そのテキストに挑んでみたわけである。
 今まで筆者を成長させてくれた、救急隊員に対する御恩返しのつもりで執筆した。
 この場を借りて、推薦文を書いてくださった畑中先生・安田先生、そしてぱーそん書房の編集部の皆様に御礼を申し上げます。
 平成27年11月吉日
市村 篤


目次


■第Ⅰ章 総 論


1.精神障害と精神病の定義
2.精神障害の分類と治療
3.精神障害の観察と判断
4.重症度・緊急度の判断
5.精神疾患と身体疾患の意識障害について
6.精神科救急傷病者対応時の一般的留意点
7.精神科救急について
8.精神科救急に関連する法律
9.精神保健福祉法について
10.精神保健福祉法による入院形態
11.救急搬送の一連の流れ
12.病院選定の原則
13.精神科救急の現状
14.精神科救急の運営について
15.傷病者への具体的対応法
16.家族への対応
17.搬送先(身体科)医師への対応
18.搬送先(精神科)医師への対応
19.MC(メディカルコントロール)医師への相談
20.警察官への対応
21.一般市民に対する啓発




■第Ⅱ章 各 論


1 気分障害(双極性障害、単極性障害)(症例1)
2 中毒性精神病(症例2~7)
3 統合失調症(症例8~12)
4 認知症(症例13、14)
5 身体表現性障害(症例15、16)
6 解離性(転換性)障害(症例17)
7 器質性精神病(症例18)
8 症状精神病(症例19、20)
9 神経症性障害(症例21)
10 パニック障害(症例22)
11 急性ストレス障害(症例23)
12 心的外傷後ストレス障害(症例24)
13 適応障害(症例25)
14 精神遅滞(症例26、27)
15 発達障害(自閉症スペクトラム障害)(症例28)
16 ADHD(注意欠如・多動性障害)(症例29)
17 パーソナリティ障害(症例30)
18 てんかん性精神病(症例31)
19 自殺企図(症例32)
20 リストカット(症例33)
21 せん妄状態(症例34~36)
22 興奮状態(症例37)
23 昏迷状態(症例38、39)
24 不眠(症例40)
25 不安(症例41)
26 パニック発作(症例42)
27 過換気発作(症例43、44)
28 解離(転換)症状(症例45)
29 酩酊状態(症例46、47)
30 幻覚・妄想状態(症例48、49)8
31 うつ状態(症例50)
32 躁状態(症例51)
33 診療拒否(症例52、53)
34 不搬送事例(症例54、55)
POTファシリテーター養成マニュアル

個数:


丸善雄松堂では学校・団体
での電子取り扱いあり
POTファシリテーター養成マニュアル

[  著  ] 南 浩一郎
[ 発行年 ] 2015年12月1日
[ 分 類 ] 救命・救急医学
[ 仕 様 ] A4判・96頁
[ 定 価 ] 3,850円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-28-4
[ 主な内容 ]
●傷病者観察のトレーニングに最適!!
●救急振興財団救急救命東京研修所の南先生らが中心となって進めているPOT講義のファシリテーター養成マニュアル。
●講義の進行役として参加者の意見交換を促し、相互理解が得られるための指南書として、具体的にわかりやすく解説している。


はじめに

 現在までの救急救命士(救命士)の職務は、心肺蘇生法の質の維持と、心肺機能停止傷病者の救命率の向上に重点がおかれていた。そのため、多くの研修機関では心臓機能停止後の特定行為の習得に多くの時間が割かれていた。包括的除細動を含む特定行為等の業務拡大・高度化も専ら心肺機能停止後の措置に関するもので、現在、心肺機能停止前の医療行為および応急処置を含む救急業務には、空白地帯というべき停滞が生じている。
 本来ならば、心肺機能停止を防ぐための医療行為こそ院外救急業務の本質である。2011年から救急救命士の処置範囲に係る研究による吸入βアドレナリン受容体刺激薬、静脈路確保、ブドウ糖投与の3項目からなる心肺機能停止前における業務拡大の実証研究が開始されたが、これは救命士が病態把握を行うことが、今後の活動の中で極めて重要であるということを示すことになった。
 心肺機能停止前における特定行為の可否を判断するには、心肺機能停止の判断以上に高度な医学的知識・ 技術に基づいた初期観察・全身観察が必要となるからである。これは、心肺機能停止前における特定行為と並んで、今後20年の救急救命士の在り方を方向づける、重要なブレークスルーとなる可能性がある。現在、心肺機能停止を予防するための応急処置・医療行為こそ、今後の救急救命士制度発展の鍵になると考えられている。
南 浩一郎


目次

POTとは何か
POTにおけるファシリテーターとは
POTの講義の進め方
会場の設営
講義資料の準備
POTの構成
POTでの症例提示の方法
症例提示のポイント
プレゼンテーションのやり方
プレゼンテーションの評価
ディスカッションのやり方
講義のやり方



  症例 1 乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全症
  症例 2 急性心筋梗塞(左冠状動脈)
  症例 3 亜急性細菌性心内膜炎による敗血症性ショック
  症例 4 急性心筋梗塞(右冠状動脈)
  症例 5 急性心筋梗塞(左冠状動脈)
  症例 6 僧帽弁閉鎖不全症
  症例 7 大動脈解離・心タンポナーデ
  症例 8 髄膜炎
  症例 9 くも膜下出血
  症例10 脳出血
  症例11 脳梗塞
  症例12 脳ヘルニア
  症例13 喘息
  症例14 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  症例15 気胸
  症例16 窒息(上気道閉塞)
  症例17 緊張性気胸
  症例18 肺炎
  症例19 肺血栓塞栓症

ERドクター便利帳 輸液再確認!!

個数:
ERドクター便利帳
輸液再確認!!

[ 編 集 ] 三宅康史
[ 発行年 ] 2015年10月5日
[ 分 類 ] 輸液 救命・救急医学
[ 仕 様 ] 新書判・305頁
[ 定 価 ] 2,200円(税込)
[ ISBN ] 978-4-907095-25-3
[ 主な内容 ]
●若手医師・初期研修医・ERナースのための、ポケットサイズの輸液実践本。
●簡潔な文章で輸液の基礎を集約。あやふやに覚えていたことを、何度も読んでぐらつかない知識に!
●どこから読んでもすぐに役立つ便利帳。どこをみて、何を考え、何をもとに輸液を決定していくのか、その過程とスキームが学べる必携書。


緒言

 この度、ぱーそん書房から、若手の救急医、初期研修医の先生方や救急外来・救命救急センターの看護師の皆さんに、現場でササッと使ってもらうポケットサイズの輸液実践本を上梓致しました。
 まずは、聞き慣れない“ぱーそん書房”ですが、代表の山本さんが平成24年6月に永井書店から独立し設立した出版社です。歴史は浅いですが、結構、救急関連の出版物があります。皆さんも手に取ったことがあるかも知れません。また、本書の「便利帳」という呼称については、特に山本さんのこだわりがあるようです。今回の企画を契機にシリーズ化されるのか!? それも本書の売れ行き次第といったところでしょうか…。
 輸液が予後を左右するような症例があるとすれば、それは経口摂取ができず、必要なものすべてを輸液に頼らざるを得ないような症例です。実のところ、軽症の患者さんでは輸液の内容や投与量を間違えても、患者さん自身の腎機能やホルモンの働き、必要なものをなんとか口から摂りながら、自身のもつ回復力でなんとか治っていってくれます。そのため、受け持った症例に輸液を行う場合、始める前はもちろん、輸液の最中、そして終了後に、今回行った輸液の功罪を評価していって頂きたいのです。その輸液がどのくらい効果を上げたのか、むしろharmfulなことをしていなかったか、常に反芻しながら、その経験を次の症例の糧として頂きたいと思います。
 レベルや必要度に合わせて、どこから読んでもすぐに役立つ便利帳です。ぼろぼろになるまで使って頂ければ、この本の企画・編集・執筆にかかわった1人としてこれに過ぐる喜びはありません。
 平成27年9月吉日
三宅 康史


目次


最初に読む! 基本初期輸液


1 輸液を始める前に読んでほしい!
  体内の水と電解質の生理学

  Ⅰ 輸液はどこに入っていくのか?
  Ⅱ それでは、血管内(血液or血漿)と間質(組織間)を分けて
    いるのは?
  Ⅲ それでは、細胞内と細胞外を分ける細胞膜の役割は?
  Ⅳ このような定常状態を保つために、毎日われわれ
    人間はどこで水や電解質を失い、それらをどこから
    補充(または再利用)しているのだろうか?

2 基本初期輸液:まず何をつなぐか

  Ⅰ そうなると脱水、体液喪失、それぞれにどのような
    輸液が最適なのであろうか?
  Ⅱ 輸液は脱水補正用の5%ブドウ糖液と、体液喪失
    補正用の細胞外液補充液の2種類だけで足りる?
  Ⅲ 初期輸液とは別に、水、電解質、エネルギーの1日
    必要量(維持量)は実際はどれぐらいになるのか?
  Ⅳ これ以外にもたくさん輸液の種類が輸液・栄養製品
    組成早見表に記載されているが、これらは何?

3 救急専門医の初期輸液

  Ⅰ 何を根拠に輸液戦略を立てるか
   1.水電解質の補給→細胞外液でまず間違いなし
   2.栄養の補給→ブドウ糖だが、まず必要ない
   3.血管の確保→細胞外液でまず間違いなし
   4.病態の治療
  Ⅱ 主訴、現病歴と身体所見から考える輸液戦略
  Ⅲ バイタルサインの回復を目的とする、いわゆる蘇生
    輸液

4 腎臓内科医の初期輸液

  Ⅰ 何を指標に、何を見極めて輸液計画を立てるのか
    (初療患者を通して原則的に)
   1.救急外来における輸液療法の目的
   2.輸液療法の種類
   3.体液量の評価
   4.救急外来での適切な初期輸液
  Ⅱ 水分バランス、電解質、浸透圧、酸塩基平衡異常と
    その補正
   1.酸塩基平衡の異常
   2.ナトリウム代謝異常
   3.カリウム代謝異常


初療直後に読む! 救急疾患別輸液法


1 脱水(体液喪失と水喪失)

  Ⅰ 診断の見極め
   1.高張性脱水
   2.等張性脱水
   3.低張性脱水
  Ⅱ 具体的な疾患と鑑別診断
   1.低Na血症を認めた場合
   2.血管内容量が低下している場合
   3.血管内容量が正常から軽度に増加している場合
   4.水分喪失量増加をきたす疾患(Na正常~高Na血症)
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画 いつ、何に変更するか?
  Ⅳ 「かくれ脱水」、「冬脱水」とは?
   1.かくれ脱水
   2.冬脱水
  Ⅴ 輸液療法からみたその後のフォローアップ

2 心原性ショック(心筋梗塞、心不全)

  Ⅰ 診断の見極め
   1.ショックについて
   2.心原性ショックの定義・病態
   3.心原性ショックの診断
   4.急性心不全の病態把握
  Ⅱ 具体的な疾患と鑑別診断
   1.バイタルサインの確認
   2.病歴聴取と一般身体診察
   3.検査
   4.鑑別診断
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画
  Ⅳ 輸液療法からみたその後のフォローアップ

3 急性腎障害、慢性腎臓病

  Ⅰ 診断の見極め
   1.急性腎障害の定義、疫学、重症度分類
  Ⅱ 具体的な疾患と鑑別診断
   1.急性腎障害の分類と鑑別方法
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画:いつ、何に変更するか
   1.急性腎障害における緊急透析の適応
   2.急性腎障害に対する疾患特異的な治療
   3.急性腎障害に対する支持療法
   4.急性腎障害に対する腎代替療法(血液透析)
  Ⅳ 輸液療法からみたその後のフォローアップ

4 嘔吐・下痢および急性腹症

  Ⅰ 嘔吐を起こす疾患の診断手順と治療
   1.初療時のポイント
   2.問診のポイント
   3.嘔吐患者の輸液治療
  Ⅱ 下痢を起こす疾患の診断手順と治療
   1.下痢のメカニズム
   2.下痢の輸液治療
  Ⅲ 急性腹症を起こす疾患の診断手順と治療
   1.初療時の対応
   2.急性腹症の診断
   3.急性腹症の輸液治療
   4.急性腹症手術と術後管理

5 重症感染症

  Ⅰ 診断の見極め、定義・病態
   1.定義(敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック)
   2.病態
  Ⅱ 具体的な疾患と鑑別診断
   1.具体的な疾患
   2.鑑別診断
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画:いつ、何に変更するか
   1.実際の初療室での動きについて
   2.生理学的アプローチ、EGDTについて
  Ⅳ 輸液療法からみたその後のフォローアップ

6 出血:外傷、消化管出血(吐・下血)

  Ⅰ 病態と診断の見極め
   1.病態
   2.診断
   3.各論
  Ⅱ 具体的な疾患と鑑別診断
   1.外傷
   2.消化管出血
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画:いつ、何に変更するか
   1.初期対応、 全身管理
   2.成分輸血
   3.輸液・輸血療法の注意点
  Ⅳ 輸液療法からみたその後(術前・術後)のフォロー
    アップ
   1.腹部コンパートメント症候群(ACS)
   2.カテコラミンの使用




7 アナフィラキシー

  Ⅰ 診断の見極め
   1.診断
   2.機序と誘因
   3.リスク因子
   4.アナフィラキシーショック
  Ⅱ 鑑別疾患
  Ⅲ 輸液を含めた治療計画
   1.初期治療
   2.急性期にはどの輸液製剤を、どれだけ投与したら
     いいのか
   3.輸液投与量の指標について
   4.輸液療法の限界と、その他の治療方法について
  Ⅳ 輸液療法からみたその後のフォローアップ
   1.二相性反応について
   2.自己注射型エピネフリン(エピペン)について
   3.運動誘発性アナフィラキシー

8 脳血管障害

  Ⅰ 診断の見極め
  Ⅱ 具体的な疾患の超急性期管理
   1.くも膜下出血(SAH)
   2.脳出血
   3.脳梗塞
  Ⅲ 具体的な疾患の急性期管理
   1.くも膜下出血(SAH)
   2.脳出血
   3.脳梗塞
  Ⅳ 輸液療法からみたその後(亜急性期管理)

9 血糖異常(糖尿病患者の急性代謝失調)

  Ⅰ 糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)と高浸透圧性
    高血糖症候群(HHS)の病態生理
   1.DKAの病態生理
   2.HHSの病態生理
  Ⅱ DKAとHHSの診断
   1.DKAの診断
   2.HHSの診断
  Ⅲ DKAとHHSの治療
   1.初期輸液
   2.その後の輸液
   3.インスリン投与
   4.電解質補正
   5.原因検索と支持療法
  Ⅳ 低血糖
   1.交感神経症状
   2.中枢神経症状
   3.大脳機能低下
  Ⅴ 乳酸アシドーシス(LA)
  Ⅵ アルコール性ケトアシドーシス(AKA)

10 特殊な病態

  Ⅰ 急性中毒
  Ⅱ 環境障害
   1.熱中症
   2.低体温症
  Ⅲ 特殊な外傷、外因性障害
   1.脊髄損傷
   2.熱傷
   3.溺水
  Ⅳ 終末期

11 高齢者、小児

  Ⅰ 高齢者
   1.生理学的特徴
   2.高齢者の輸液療法の実際
   3.まとめ
  Ⅱ 小児
   1.成人との違い
   2.生理学的特徴
   3.維持輸液
  Ⅲ 小児のショック
   1.ショックの輸液療法の実際
   2.まとめ
  Ⅳ 小児の脱水
   1.基本
   2.輸液の組成・速度
   3.まとめ


一段落したら読む! 輸液エキスパートへの道!


■腎臓内科専門医が見極める腎機能評価と腎障害の程度

  Ⅰ なぜ、輸液に際して腎機能評価が重要なのか
   1.尿浸透圧
   2.輸液による溶質負荷
   3.「CKD患者は高K血症にも低K血症にもなりやすい」
   4.「CKD患者は高Na血症にも低Na血症にもなりやすい」
   5.「CKD患者はアシドーシスにもアルカローシスにも
      なりやすい」
   6.「CKD患者は高血糖にも低血糖にもなりやすい」
   7.「CKD患者の血清Ca/P/Mg値は高値にも低値にも
      なりやすい」
  Ⅱ 腎機能低下時の体液量評価のピットフォール
  Ⅲ 輸液に際しての腎機能評価のピットフォール

■非公式ながらよく使う裏ワザ

  ・冷やしラクテックあります
  ・維持輸液=3号液?
  ・FENaとは
  ・動脈血液ガスと静脈血液ガス
  ・浸透圧脱髄性症候群(ODS)
  ・高Na血症とhypovolemic shockの合併を認める場合
  ・橋中心髄鞘崩壊症(CPM)
  ・Swan-Ganzカテーテルについて
  ・TPTDを用いた循環動態の評価
  ・カテコラミンの選択
  ・入院後の輸液管理
  ・急性腎障害の発症場所と頻度
  ・血清Cr値はGFRが極端に低下しても……
  ・緊急透析を行う可能性がある症例に対しては……
  ・急性腹症術後の輸液のポイント
  ・いつ中心静脈カテーテル(CVC)を留置し、いつ血管収縮薬を
   開始する?
  ・ショック指数を用いるときの注意点
  ・Permissive hypotension, restrictive fluid resuscitation
   という考え方
  ・大動脈遮断バルーン(IABO)
  ・アドレナリンの投与について
  ・原因不明の遷延する意識障害
  ・迷ったときの抗血栓薬の選択
  ・HHSの治療の主体は……
  ・フルマゼニルはベンゾジアゼピンの拮抗薬であるが……
  ・高体温に対していち早く冷却輸液を投与するが……
  ・加温輸液が足らない場合は……
  ・頸髄損傷患者は体温調節機能も低下しているので……
  ・初期の重症度評価において、サウナ内、岩盤浴での
   熱傷は……
  ・淡水による溺水で、低Naに陥るような……
  ・治療撤退と現状維持を識別することそのものが……
  ・小児の静脈路確保
  ・経口補液療法

2024年10月 新刊追加